(3)

 あたし達は地響きを立てながら……阿蘇山の山頂を目指し……何か変だ。

 ともかく考えるのは後だ。

 考えるのを後回しにしてるから、人間さんは酷い目に遭ってばかりなのだ。考えるのを後回しにするのは、考えものなのだ。

 ん? 何だ、今の声?

「ぎゃあああ〜ッ‼」

「たすけて〜ッ‼」

「悪いのは、クソ女どもだ〜ッ‼ 俺達じゃないッ‼」

 山頂の辺りから……無数の悲鳴。

 あ……。

 モフモフのチビ恐竜達が……爬虫類人間を襲っている。

「あんた達、そいつら皆殺しにするすっと人間達が困るけん、何人かは生かしておかんね」

「ぎゃお……」×6。

 そして……。

「あ……あおいちゃん?」

「へっ? 何で、あたしの名前知ってるの?」

 亀人間形態のあおいちゃんを見付けたけど……何故か、あおいちゃんは、あたしの事が判らないようだ。

「ぎゃお」

「ぎゃお」

「ぎゃお」

 凶暴6姉弟達は、生き残ってる爬虫類人間達を連行していき……って、何で、あたし、この子たちの名前を知ってるんだ。

 でも、あおいちゃんだけは、残されて……。

 うう……何か……嫌な予感がする。

「まだ、無事みたいやね?」

「は……はい……」

「まだ、レ○プされとらんらしかね?」

「は……はい……」

 恐竜さんは……あおいちゃんに変な事を訊く……。

 いや、レ○プされかけてた女の子に、そんな、あからさまな訊き方する?

「なら、助かった……これで、レプタリアンの魔法少女どもがやろうとした儀式逆用出来る」

「へっ?」

 恐竜さんは、いきなり、あおいちゃんを口で咥え……。

 えッ?

 えッ?

 えッ?

 えッ?

 えええええッ?

「うわああああッ⁉」

 あおいちゃんを阿蘇山の火口に投げ落した。

「すんませんけど、阿蘇山の神さん、処女の生贄捧げますけん、あと一万年ぐらいは大噴火は御遠慮頂けませんでしょうか?」

 恐竜さんが、そう言うと……。

 ゲップ……。

 何故か、阿蘇山の火口から、満足したげっぷのような音が響いた。

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