(6)

「優希ちゃん……すごく……よかったよ♥」

 角竜のちびすけさんは……途中で呆れて居なくなった。

 どうやら……人間にとって(真子ちゃん除く)異常な状況だっただけじゃなくて、同じ恐竜にとっても……関わり合いになりたくないほどの異常な状況だったらしい。

「ああああ……」

「優希ちゃん?」

 多分……あたしが、今、真子ちゃんを見る目は……レ○プ犯を見る被害者そのものなんだろうなぁ……。

「こ……来ないでッ‼」

 魔法少女同士が変身してイチャイチャなんて、言葉だけなら、オタクが喜びそうな状況だけど、実態は……恐竜に変身して齧り合い。

 と言うか……あたしが一方的に噛って、齧られてたスーちゃんと、スーちゃんに変身してた真子ちゃんが一方的に大喜び。

 嫌だ……。

 もう、こんな状況……嫌だ……。

 助けて……って、助けてくれそうな人は居ない。

 逃げよう。

 逃げて、どうなるか、さっぱり判らないけど……今のこの状況よりは、遥かにマシな筈だ……。

 うわあああ……。

「ま……待って、、どうしたのッ? 何で、逃げるのッ?」

 もうだ、あたしは、ここから逃げて……どこか……恐竜も爬虫人類レプタリアンとかいう人(?)達も居ないどこかで……普通に暮すんだッ‼

 あたしは、どたどたどたどたどたぁ♪ と地響きを立てながら、人間には有り得ない猛スピードで……。

 待て、何か変だ?

 うわあああ……。

 あたし、何で、また、変身してるッ?

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