(4)

「優希ちゃん、何でッ?」

 「何でッ?」って何でッ?

「私の気持ち知ってる筈なのに……」

 知らんッ‼ 知らんッ‼ 知らんッ‼ 全く知らんッ‼

「私……子供の頃から人間やめて恐竜になりたかったんだよ……」

 その一言で……あたしも、この場に居る恐竜2匹も……完全にポカ〜ン状態。

「ガジくんに私の体を食べてもらえれば……私の体がガジくんのお肉の一部になれたのに……」

 ……。

 …………。

 ……………………。

 全員、更にポカ〜ン。

 さっきまでがポカ〜ン度一〇〇ぐらいとするなら……今は、ポカ〜ン度一億を余裕で超えている。

 初めて見た。

 反応に困ってるスーちゃんの姿を……。

 スーちゃん、最大の宿敵は、この角竜じゃなかった。

 スーちゃんは、自分から自分の最大の宿敵の部屋に居候してたのだ……。

「それ……恐竜になるのとは違うと思うぞ……」

 ちびすけさんが……ボソリとつぶやいた。

「あ……言われてみれば……じゃあ……そうだッ‼ スーちゃん」

「な……何ね?」

ッ‼」

 この妖怪と出会って……初めて、こいつとあたしの心が1つになった。

 真子ちゃんの言う通りにしたら……確実に何かマズい事が起きる。

 でも、その時……。

 真子ちゃんは……スーちゃんを抱き締めて……。

 スーちゃんの耳元で(って、どこが耳か良く判んないけど)何かを囁いて……。

 それを聞いた……自称「獣脚類の妖怪」は、完全に悪魔に魂を売ったよ〜な表情かおになり……。

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