(7)

「真子ちゃんッ‼ あの妖怪はどこッ?」

「どうしたの、優希ちゃん?」

 あたしは、あの妖怪が居候してる真子ちゃんに来ていた。

 真子ちゃんの部屋の中は……今のあたしにとっては悪夢だ。

 居るだけで冷や汗がダラダラ……心臓はバクバク……足はガクガクだ。

 今のあたしにとっては……忌しい代物が山程有った。

 恐竜だ……。

 恐竜のヌイグルミが数え切れないほど……。

「何ね? ちょっと、いい気持ちで寝とったとこやけん、急ぎじゃなかなら……後にしてくれんね」

 巨大なお座りタイプのティラノサウルスのヌイグルミの膝から……例の妖怪の声。

 恐竜の妖怪は、恐竜のヌイグルミの膝でお昼寝をしてやがった。

「ウチの牧場に居るアレは何だッ⁉」

「何のこつね?」

「ウチの牧場でバイトしてる羽毛恐竜もお前が連れてきたのかぁぁぁぁぁッッッッッ‼」

「ああ、なるほど……ちょっと、それそいが話がややこしくてね……」

「簡単に説明しろ、この妖怪ッ‼」

「だから、あんたら人間のせいやろ。まぁ、レプタリアンどもに操られとったのも有るけどね」

「はぁ?」

「人間のせいで、地球が暖くなった上に、二酸化炭素の濃度もウチらの時代に近付いてきて、今地球がウチらにとって住み易か環境になったけん……次々とウチら恐竜が、このこん時代に引っ越して来とっとたい。元々は……人間支配しとったレプタリアンどもが、人間操って、地球自分達に住み良か惑星ほしに変えとったとやけど……」

「ま……待って……まさか……」

「安心せんね……恐竜族とレプタリアンの戦いが始まるけど、戦いは短期間で終って勝つのはウチらやけん」

「だから、待って、人間はどうなるの?」

「どうなるって言われても……。あんたら人間の生活は何も変らんよ。御主人様が変るだけで」

「何も心配ないね、優希ちゃん」

 真子ちゃんの脳天気な声は……あたしを絶望のズンドコに突き落した。

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