(6)
TVではニュース番組の時間が減り、その代りにTV番組じゃなくて動画投稿サイトにUPされた動画みたいな感じのバラエティ番組が放送される時間が増えた。
と言うか、そんな番組のスタッフロールには……多少は有名な動画投稿者の人の名前が有った。
日本国内からは、有名どころの動画投稿サイトやSNSにアクセス出来なくなってて、その手の人達が暇になってる一方で……TVの東京のキー局は多分……無くなってる。
TV局と動画投稿してる人の利害が一致したらしい。
けど……何か、最近のTV番組の映像がショボく見えるのは……多分、日本を支配している多国籍軍がドローン撮影なんかを許可してくれないからだろう。
アニメやドラマも海外作品以外は放送されていない。多分、アニメやドラマの製作会社の多くも、東京と共に滅んでる。
TV番組では、有名な芸能人が出演する事もない。きっと、死んだり行方不明になってる人が山程居るんだろう。
あたしは……ゆっくりと、何日かかけて……東京が壊滅して、インターネットもTVも新聞も多国籍軍によって規制されている事実を実感していった。
何もする気がなくなってたけど、気分転換に外に出る。
人手が足りなくなって近所の人達と共同組合を作ってやる事になった牛の世話は……ん?
「♪ふんぎゃ、ふんぎゃ、ふんぎゃ」
牛さん達は、のびのびと……って、何だよ、アレ?
あたしは……マトモな人間を探す。
数分後……見付けた……居た……父さんが……。
いや……この光景が幻覚なら、何がマトモか判らないし、もし仮に、万が一、億が一、兆が一、京が一、現実なら……余計に何がマトモか判んないけど……。
「父さんッ⁉」
「優希、どうしたとか?」
「あれ、何だよッ⁉」
「おい、『あれ』とか
「人じゃないでしょ、あれッ‼」
「でも、何て言えば良かとか……」
牛達の世話をしていたのは……ヴェロキラプトルらしいモフモフの羽毛恐竜だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます