(9)

「じゃあ、真子ちゃん、手筈通りに頼むで」

「は〜い」

 今日、ワープしてきたのは……何だ、ここは?

 森の中?

 でも……結構近い場所に高層ビルが見える。

 すっかり、スーちゃんの仲間になった真子ちゃんは、何故か複数台のスマホを操作している。

 そして、スーちゃんもスマホらしきモノが入ったケースを首からかけている。

「じゃ……作戦開始」

「あ……今日は何人死ぬんだろ」

「だから、ウチらは誰も殺すつもりは無か、って言っとるやろ」

 はぁ……「ウチらは」か……。

 嫌な予感しか……。

 ん?

「あ〜、何、あれ?」

「何かのイベント?」

「写真、撮っていい?」

 ビルがすぐそばに有る広場……?

 あのビル……何でゴ○ラの頭が有るんだ?

 ひょっとして、シネコン?

「はい、みなさん、ちょっと離れてもらえんね? ちょっとイ○○タ栄えするように……巨大化」

 えっ?

「うわあああ……」

 あたしの体は一段階大きくなる。

「すげ〜」

「もっとやって」

「更に巨大化」

 更にあたしの体は大きくなり……。

 更に数分後、あたしの顔は、ビルの上の方に有るゴ○ラの顔と、ほぼ同じ高さになり……。

「あ……そろそろ来たようやね……サイズ最小」

「えっ?」

 あたしの体は、軽トラぐらいの大きさに変り……。

「全速力で逃げるで。こっちや」

「ええええ? な……なに?」

 とりあえず、スーちゃんのあとを追って走ると……背中から爆風と轟音。

 でも、あたしの今のこの体は……何とも無い。

 ふと、背後うしろを振り向くと……ゴ○ラの頭が有るビルが火に包まれていた。

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