(2)

 暑い。

 寝苦しい。

 けど、町中よりはマシな筈だ。

 もう夏休みだ。

 喉が乾いた……。

 あたしは、のっそりと起き上がる。

 少し、頭がボンヤリしている。

 まあ、いいや。

 あたしは滝壷に口を付けて水を飲む。

 その後、滝の水を浴びて、さっぱりする。

 空を見上げると……綺麗なお星様……。

 ……ん?

 待て……。

 今、あたし、どこに居る?

 ぐぅ……。

 お腹が鳴る。

 ちょ……ちょっと……どうなってる?

 うわああああ……。

 あたしは混乱したまま山の中を駆け……。

 夢だ。

 夢だ。

 夢に決って……。

 気付いた時には……あたしは阿蘇のカルデラの草原に居て……あ♡ おいしそうな哺乳類さんが居るのだ♡

 たしか、牛さんとかいう哺乳類さんなのだ。

 ちょっと可哀そうだけど、晩ご飯にするのだ♡

 牛さん、ごめんなさいなのだ。

 ガジっ♡

 ん?

 お姉ちゃん、どういう事なのだ?

 ガジくんの晩御飯以外にもう1人殺すなんて、かわいそうなのだ……。

 えっ?

 ああ、もう1人の牛さんは、ガジくんの友達のご飯なのかなのだ。

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