彼女はどうして嫌われているのか、彼はどうして彼女を愛したのか。愛と呪いの狭間で、彼女だって死にたかったわけではないだろうけど。きっと共に生きる未来を夢見たことだろう。けれど人間は残酷なのだということを、まざまざと目の前に突きつけられるようだった。嫌悪する相手にはどこまでも非情になれるということを。けれど人間は悪いばかりではないということも、この作品は教えてくれる。エピローグの2人の視点まで読めば、きっとそれが分かるのだ。彼らの来世に幸あれ。そして主人公の行く先にも。