INTERMEDIO 〈 Technology which takes out an answer out of fog. 〉
『T』のパソコンが勝手に起動する。
青い画面に見たことのないロゴが画面に表示され、そのパソコンに使われているOSが広く世間一般に流通しているような代物ではない。特別に作られたオリジナルのモノだった。
だからと言って、それが何もないのに起動する理由ではない。
外からの遠隔操作。
別の場所からの強制的な命令で、パソコンは起動させられたのだった。
緑の画面に『Calling』と表示され、静かにベルの音が鳴った。電話のベルに似た音だったけど、どこか電子的で金属の音にはない高さがある。それはたぶんカレからのコールであったが、それに出ることの出来る人間はいなかった。
通信に出る人間がここにいないことをすでに知りながら、向こうにいる『カレ』は少ない時間を調節しながら最後のコールを掛けたのである。リリリリ……となっていた呼び出し音は無情にも鳴りやんでいて、それからすぐに、メールが送られてきた。
メールには、ただ一文だけ。『GOOD NIGHT』と書かれていた。
部屋の戸が急に開き、女は一杯の紅茶を持ってきた。
この部屋の主が愛したお茶を、最期に捧ぐために。
《 Is this answer appropriate? 》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます