Day 22 メッセージ
昨年母の骨壷を押入れの奥に入れているが、時々勝手にガタガタ震えてうるさい。
実家で一人暮らしをしている姉が、わりかし平気そうな顔でそう言うので頭が痛い。
「こんなところに入れとくなって言ってるんじゃない? やっぱりちゃんとお寺に持ってかなきゃ駄目だよ」
そう言っても、「だって、そしたら私この家でひとりぼっちになるじゃない」と言ってきかない。
「ひとりは嫌なの。じゃあお母さんのお骨はお墓に入れるから、代わりにあんたこっちに戻ってきて私と一緒に住んでくれる? どうせくれないんでしょ?」
そう詰められると弱い。結局母の骨壷は押入れに入れっぱなしで、ガタガタと震える頻度は上がっていき、最近では部屋全体が地震のように揺れるという。
それでも納骨はしないという姉の背中には、子供の頃に母に煙草を押し当てられて出来た丸い火傷の痕がいくつも残っている。
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