第7話

「宿題多すぎない?」

「多いねぇ」

「澪は計画的にやるよね、絶対」

小学校からの友達、平川夏海に隣で嘆かれた。

7月後半からは、中学生、いや、学生限定で夏休みが始まる。

「私、最後の日まであたふたしてるよ」

嘘つけ、と言った目線をされた。残念ながら嘘じゃない。小学6年生の時は、漢字ドリルの宿題を丸1周サボったくらいだ。

「澪は忙しいでしょ。宿題に、水泳に、どうせ、休みもそんなないんやろ」

夏休みとはいえ、練習がある。

私は、ジュニアオリンピックに出場できるほどの実力は持っていなかったから、3日ほどのお盆休みはある。とはいえ、連続で取れるオフは3日が限度だろう。

「宿題と水泳以外は何もしないと思うよ」

じとーっとこちらを見る夏海を見つめながら言った。

「澪!」

「うわ、何よ。どした?」

「恋しなきゃ」

「何、急に」

「中学生やん、私ら。恋しなきゃ」

「ごめん。私、今、この会話だけで少女漫画感味わっててだいぶ満足なんですけど」

「そんなこと言ってると、中学終わるよ?高校受験よ?」

「恋愛って、高校生がするイメージない?」

「中学生がしたっていいでしょうよ」

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