第5話
2011年7月
「お、ヒーローやん、どうよ」
「こんにちは」
「相変わらず、強気」
4時間目の終わり、給食係ではなかったので、ゆっくり移動教室から戻っていたら、山本遥に声をかけられた。
「なんか、今日、痛いんですよ、視線」
「そりゃあ、全校集会でこの学校に部活のないはずの水泳で個人表彰されたら、みんな姿覚えるわ。市内大会とはいえ、優勝やし、誰よりも成績いいねんから。林田ちゃん、元から髪目立つし、身長高いから、特徴的やし。」
朝、全校集会があった。
6月末に行われた市内大会において、200mの背泳ぎで準優勝、100mの背泳ぎで優勝した。
全校集会の部活動報告でその表彰が行われ、その後から、移動する度、上級生の視線を感じる。
優勝、準優勝とは言うが、そもそも戦う市場の母数が少ない。
200mの背泳ぎに至っては、3人出場の2番である。
ちなみに、市内とはいえ、ここは結構都会である。
競泳で、女子の背泳ぎは意外にも、比較的人数が少ない。
そして、私は背泳ぎ以外、2歳半から水泳をやっているとは思えないくらいには、泳げなかった。
ありがたい。
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