えっちなスイカ割り――間接キス、荒ぶるペットボトルの巻
「責任取ってくれるよね?」
優しい口調で真帆は囁く。
俺はずっと耳が幸せだった。
うん、と頷き俺は幸せにすると誓った。
「嬉しいっ。君って本当に優しいね」
俺は真帆の方が優しいと思った。
こんなに優しくしてくれるギャルは普通いないと思ったから。
「そう言ってくれると嬉しいなぁ」
真帆は喜ぶ。同時に、俺に手厚いハグをしてくれた。これほど女の子から密着してもらったことはないから涙が出そうだった。
安心しきっていると、お腹が鳴った。
「ん、君、もしかしてお腹空いてるの? そうだ、このビーチに来る予定だった女友達がいたんだけどね。友達とスイカ割りをやる予定だったんだ。ちょっと、やってみよっか」
空腹には勝てない。
お言葉に甘えてスイカ割りをすることにした。
俺は目隠しをされ、スイカを割る為の木の棒を持たされた。
その場でぐるぐる回転させられ、真帆は離れた。
「がんばって! 君なら一発で出来るよ」
暗闇で何も見えないけど、スイカの気配を察知した。……お、この辺りに大きな気配が
おそらく、真帆とスイカだと思った。
まずは木の棒で突いてみると、なにかボヨンと弾んだ。
ん、なんだこのボヨンボヨンする弾力のあるスイカ。
う~ん……目隠しのせいで分からない。
「……ちょ、君。そこはスイカじゃないよぅ」
なぜか真帆が恥ずかしがっていた。ボソボソ言っていてよく聞こえないんだよな。
なにがあったんだろう?
「ぁ……ちょ、だめだって。そ、そこは谷間だよ、君……く、くすぐったい。んぁ……!」
木の棒が擽り攻撃になってしまっていた。
え? え? うそー!?
けど、なんだろう。
妙な背徳感。
別のスイカを命中させたけど、結局スイカは割れなかった。
俺は目が回ってダウン。
寝ていると、真帆が添い寝してくれた。
「もぉ、君ってばヘンタイさんだね。スイカ割りしてたのに、別のスイカを狙っちゃうとかさぁ……すっごく恥ずかしかったよ」
ちょっぴり膨れる真帆だけど、機嫌は良かった。
「しばらく休憩したら、スイカを食べようっか。実は、こんなこともあろうかとカット済みのスイカがあるんだ。食べさせてあげる」
そうだったのか。
それは助かるな。割ったのを全部食べるのは大変そうだし。
ちょっと暑くなってきて、真帆はペットボトルの水を飲み始めた。
「……ん、ん。ふぁ~……美味しい水。あ、君の飲む?」
真帆の飲みかけを手渡される。
でもこれ、真帆が口をつけていたものだ。
つまり、間接キスなわけだが……。
なにを迷う必要がある俺よ。どのみち最後にはキスする予定なんだ。ここで間接キスしておけば、いろいろ乗り越えられそうな気がしていた。
がんばれ俺。
己を鼓舞しながらも、ペットボトルの飲み口に口をつけた。
「間接キスだね」
……っ!
ジッと見つめられ、激しく動揺した俺はペットボトルを落としてしまった。それが真帆に掛かった。
「冷た~い。けど、気持ちい。うん、さっぱりした」
ニコニコ笑う真帆。
顔や胸、股にも散水して――なんだろう、ただの水なのに興奮を覚えた。
水を飲み終え次に、予めカットされたスイカを食べさせて貰う事になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます