第17話

翌日にフレッドから大量のドレスが届けられた。どれも素敵なデザインで、色は全てフレッドの髪と瞳の色の青と金。


アクセサリーも大量にきたわ。


どれも上質で母がびっくりしていた。欲しそうにしていたけどあげる訳ないでしょ!


姉はまだ帰って来ないし、明日にはフレッドが迎えに来てくれる。ドレスも宝石も嬉しいけれど、フレッドと一緒に居られる事の方が嬉しいわ。


今日はエリザベスが遊びに来てくれているの。見張りも兼ねてね。だから、両親も文句を言ってこない。


2人で明日何を着るか決めてるんだけど、どれも素敵で決められないわ。


「フレッド様は思ったより束縛するお方なのかしら……このドレスと宝石、全部フレッド様の色じゃない」


「嬉しいわ!」


「シャーリー……貴方もフレッド様にベタ惚れね」


「だってあんな素敵な方だなんて思わなかったわ! ありがとうエリザベス!」


「喜んで頂けて良かったわ。2人の結婚は正式に承認されて契約内容も登録されたから、明日には公表されるわよ」


「嬉しいわ!」


「シャーリー、さっきから嬉しいしか言ってないわよ」


エリザベスは、若干呆れた顔をしているわね。いけない、浮かれすぎてしまったわ。結婚が決まって浮かれる姉が鬱陶しかったもの。わたくしも姉みたいになってはいけないわ。


「ごめんなさい。浮かれすぎていましたわ」


「良いのよ! こんなに嬉しそうなシャーリーを見たのは初めてだもの」


「だって本当に嬉しいんだもの! 家を出れるなら大抵の事は我慢しようと思ってたけど、あんな理想の殿方とあっさり結婚出来るなんて思わなかったわ」


「辺境は、環境が王都と違って慣れるまでは大変かもしれないけど大丈夫?」


「毎日フレッドに会えるなら岩穴に住んでも構わないわ!」


「情熱的ねぇ。シャーリーがフレッド様を気に入るとは思ってたけど、あった途端に呼び捨てを求めたりしてびっくりしたわ」


「だって、待ってても恋は来ないって先生も仰ってたもの」


「確かにそうね。フレッド様もシャーリーを気に入ってるみたいだし、明日が楽しみね」


「ええ、嬉しいわ。もともと華やかな暮らしに執着はないし、街でバイトしてた時の方が幸せだったもの。フレッドはかっこいいし、結婚の契約内容からしてもわたくしを大事にしてくれると思えるから、不安はないわ。明日が待ち遠しいの!」


「幸せそうね。ホントに良かったわ。結婚しても遊びに来てね。フレッド様なら許して下さるわ」


「ええ、ゆっくりお茶会しましょうね!」


今までは、姉や両親の目を盗んでエリザベスと会っていたが、私はもうこの家の者じゃない。明日フレッドと会えるのが待ち遠しいわ。

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