第46話 植物も生き物だ
育児を手伝ったり家事をしたりゲームをしたりたまに
◎
明日で二十歳になる。
オレは人の誕生日を祝うのは好きだけど自分の誕生日はどうでもいいタイプなのでいつもは特に何もやらないし忘れていることも多い、でも二十歳の誕生日くらいは壮大に祝いたいと思った。
だけど一緒に祝ってくれなんて言えるような友達はいないので植物に祝ってもらう事にした。
家じゅうの観葉植物や花瓶の花を自室に運び込み床に円になるように配置した、飲み物も用意して、壁に飾りつけたカラフルなイルミネーションライトを点灯させて、ミニコンポで陽気な音楽をかけて誕生日パーティーの開始だ!
植物たちと筋トレをしたり歌をうたって聴かせたりしていたら23時58分になっていた、みんなで床に輪になり真ん中にスマホを置き、その画面に映し出された時計を見ながらカウントダウンをした。
「6、5、4、3、2、1、ゼロ!! 誕生日おめでとー! カンパーイ!」
クラッカーの紐を引いて瓶ビールとペットボトルのミネラルウォーターで乾杯した。
ビールはこの時に飲もうと時前にコンビニで買って用意しておいたやつだ、ちょっと高くて美味しそうなやつを選んだ。
「
大人はなんでこんな飲み物を好んで飲むんだろうか、果汁100%ジュースのほうが絶対おいしい。
植物たちにもミネラルウォーターを飲ませながら、オレはビールを飲み干した。高かったし残したらもったいないしな。
その後は陽気な曲に合わせてダンスタイムだ。
背が高い観葉植物とは葉っぱと手を繋ぎながら踊って、花瓶の花や鉢植えのやつらは抱き抱えて踊った。
アルコールのせいか心がポカポカしてなんだか楽しかった。
その日は植物たちに囲まれてぐっすり寝れた。
◎
朝にスマホを確認したらハワイにいる母さんから二十歳の誕生日おめでとう、立春ももう大人の仲間入りだね、お酒やタバコはほどほどにねとメールが入っていた。
じいちゃん達からもおめでとうと封筒をもらった、中には1万円が入っていた。
じいちゃんばあちゃんありがとう!
成人にもなった事だし心機一転、また仕事を探してみるか!
求人誌を買った。
わりと近い場所で食品工場の募集があった。
白い作業着に白いマスクに白い帽子を被っている従業員らしき人の画像が載っていた、この帽子なら頭の耳も隠せそうだ。
場所はこの家からだと徒歩で1時間くらいか、余裕だな。
誰でも出来る簡単な作業、いいね。
時給は……高っ!!
なんだこれは!?
こんな良い条件の仕事があって良いのか!?
こんなの希望者殺到するだろ!
すぐに電話した。
ダメ元で面接に行ったら履歴書もよく見ないで「いつから来れる?」と即採用。
これは良い流れが来ている気がする。
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