第4話「また君か、いったい何があったの、初日から派手に」
夜中は雨が降っていたのか空は晴れているのに地面は少し濡れていて所々水たまりが出来ていた。
バナナを頬張りながら走っていたらバランスを崩してしまって電柱にぶつかって頭を強く打ちつけた、その反動で地面に尻もちも付いてしまった。
痛ぇぇ。
バナナはちょうど最後の一口を頬張ったところだったから地面に落とさずにすんでよかったと思って口をモグモグしながら立ち上がろうとしたら落としていたバナナの皮を踏んずけて前のめりに滑ってしまって電柱に突っ込んでまた頭をぶつけてしまった。
そのまま地面に横になって丸まったまま頭を押さえながら口をモグモグしていたら手の平がびちょびちょになってなんだか温かかったので汗かと思って見てみたら血がべっとりとついていた。
サイアクだ、セットが台無しじゃねえか、制服も汚しちまったし。
そんな時に遠くから小さく学校のチャイムが聞こえてきた。
やべっ!早く学校に行かないと!とバナナの皮を拾って
◎
学校に着いたらすでに生徒の姿はなく体育館のほうからマイクを通したおじさんの話す声が聞こえていた。たぶん教頭先生の声だ。
とりあえず校舎の入り口近くにある掲示板で自分のクラスと出席番号を確認した、3年1組の2番だった。
始業式はもう始まっている。
保健室に行こうか迷ったが小さい頃からよく転ぶのでケガには慣れているしそのままでいいかと体育館へ向かった。
体育館では並んだ生徒たちが立ったまま校長の話を聞いているのが入口から見えた。
あまり目立ちたくはない、適当に列の後ろのほうにでも並んでおこうと思って気配を消すようにこっそりと靴を脱いで忍び足でそろりそろりと中へ入っていったら、入り口近くに並んでいた2年の女子生徒たちから悲鳴が沸き起こって騒ぎに気づいた体育教師の
よくお世話になっている保健室の丸メガネの若くて美人な
オレも3階にある教室へと向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます