第14話

徹夜コースが始まって時計を見たら

時刻は22時を指そうとしていた

流石に集中が切れ始める

何も食べずとはキツイ

食事の為一旦会社をでたのです

辺りは少し灯りがあるくらい

慣れた道を進むとお気に入りのお店が

まだやってるみたいだ


店の戸をガラガラガラッと開けると

店主の親父さんが久しぶだなと言う

会社の建て替えでこれて無かったのもあるが

何かとバタバタしていたからとも言えた

厨房から光樹君が顔を覗かせたのだ

席に座りメニューを開くと早速新メニューがある

新メニューをいくつかと定番物を頼む


頼んでる間にテレビへと目を向けた

通り魔殺人が逮捕されたと報道していたのだ

ようやく平和になったと言える

途端に次のニュースが流れたのです

それは詐欺

それも結婚詐欺

通り魔殺人の次は詐欺とは皮肉な話


そんな事考えてると料理が出来てきた


「みおりさんの会社新しくなってたから驚いた」


そう言いう光樹君


「そのお陰で大変だったよ~ 係長に上がったは良いけど元1課のメンバーの更正 でっ今日はその問題児の後始末で残業中」


それは悲惨だなと親父さんが言う

後1人問題児がいるからそっちも何とかしなくちゃならないから結構大変

思いっきり尻拭いも良いところ

係長への昇格は正直嬉しいが

後々の始末がと言う訳である

全くできの悪い部下には困った物だ


テレビのニュースを聞きながら食事を済ませる

さて戻って仕上げだと言う

尻拭いと言う物をさせないでほしい

親父さんが確かになと言ったのです

会計を済ませ店を出ようとすると

光樹君が何かをてわたして来た


袋の中身を見て驚いた

これを作ってくれていた何てと言う

それに栄養補給飲料まで入っていたのだ

それを受けとるとありがとうと言って店を出た

会社に戻り最後の仕上げ

キーボードをカタカタならす音が響く


ふと笑みがこぼれる

誰かにこんな事される何て嬉しい

何故ならずっと自分で作って来たからだ

親も親で兄や姉達を溺愛して話なんて通じなかったし

何の助けにもならなかった

毎日弟妹と自分のお弁当を作るで必死だったのです

それに元彼もこんな事してくれなかった

今でも両親からの連絡なんてない


今じゃ生きてるかさえ解らないのだから

父方の祖父母も母方の祖父母も既に他界してる

父方の叔父夫婦がいるだけで他に親戚はいない

何故なら母は独りっ子だからだ


手を止めてグーンと手を上にあげる


これで良いかなと確認

記入もれ無しと確認してコピー

時計を見ると深夜の1時45分を指していた

もうすぐ2時かと呟く

コピーを終えてそれを引き出しに仕舞って鍵をかける

これで大丈夫な筈と確認して戸締りをして

会社を出たのだ

勿論渡された物も忘れてはない


光樹君途中でお腹空いたらと思ったのかな

そんな事が頭に浮かぶ

何か得した気分でルンルンで帰宅したのだ


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