第36話 第4作の進捗②

 以前①と題したので今回は②です。


 ここまですんなり5万5千字。

 実に勢いがありました。メモでもスマホでも手にすればスラスラ文字が出てきました。ただし去年まで。


 今年に入ってからは打って変わり、ピタと止まってまるで文字が出てきません。みなさんもよくかかる、とある病に罹患しました。


「この作品、本当に面白い?」


 ひねりが必要です。もうひとアイデア必要なんです。

 主人公をもっと魅力的に、敵役にも確固たる人物を。メインストーリーのほかに水面下で別の流れも作って。


 そこまでやれば奥行きのある深いお話になるのでしょうが。

 毎度そんな複雑に構成しなければなりませんか?

 シンプルな面白さを目指すのはダメですか?

 たぶんこの作品はマンガ向きなんだと思うんです。一話にひとコマ、止め絵でバキッと存在感を示して相手チームを出しぬく。たぶんそんな小説なんです。


 でも少し前に足しちゃいましたよね、主人公に重い設定を。

 削ぎ落としてあっさり風味に戻すか、練りに練ってこってり料理にするか。方向性が定まらずに、やがて歩みも止まりました。進める道はもう全部行き止まりになりました。だってこのままだったら面白くないんです。金脈は掘り尽くし、もはや金含有量はゼロ。

 あれだけウッキウキで書いていたものが、今はチラ見するのも億劫に。


 そもそもゴールを決めていなかったのが悪かった。目指す地がなければ、たどり着きたい場所が存在しなければ物語は迷子になって当然です。これは失敗しました。実に手痛い。


 ゴールの設定。オリンピックなら金メダル、サッカーならワールドカップで優勝。スポーツならそれでいいのでしょうが。登場人物の人生は優勝して終わりになるでしょうか。

 相手は親の仇かライバルか。長年追い続けた? 憧れの人物? 最強の? 昨年の覇者? それが定まらねば。


 どうしたら続きが書けますかね。雪が溶けて、北半球が暖かくなったらきっと気持ちが前を向いて。アイデアがひょっこり、ツクシのように顔を出して。

 誰かに背中を押されないと歩けないおれごん未来です。


 どなたかがTwitterで立ち直るにはひらき直りだとご指摘くださいました。たしかに、落選の痛手も創作の外側の不協和音も、結局ふたたび書きはじめる時はいつも、ひらき直りだったように思います。

 解決はほぼしないのでしょうね、待っていても好転は決してしない。果報は寝ていてはダメ、歩んでいるからこそ接点が生じるわけで。


 先々は書けませんが、これまで書いたぶんをよくよく見直してみます。

 伝えたかったのは面白おかしいスポーツ。いきなり超必殺技を出して周囲に驚かれるタイプの。でもノーリスクじゃなくって。満身創痍で迎えるのはさらなる強敵、苦戦につぐ苦戦。


 炭治郎がヒノカミ神楽を、涼しい顔で連発して倒す無惨に価値なんてありませんよ、皆無です。苦労して苦労して、やっとつかめる勝利を探してみます。

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