第18話 めきめきと成長するキャベツ太郎

婚姻の儀も終わり、晴れて夫婦となったキャベツ太郎達。


鬼ヶ島での生活に慣れる為、狩猟や森の採集、建築等、村人一丸となってキャベツ太郎に様々な事を教えていました。


村長は数ヶ月前にキャベツ太郎がボロボロと涙を流しながら口にした強い意志に、どう応えるべきか悩んでいました。


都へ領地を返還して貰う様に書簡を送るか、何もせず暮らしていくか、それとも…。


トントンッ―


キヌ「父さん」


村長「あぁ…お前か。どうだ?あいつは。狩りや採集は滞りなく出来ているか?」


キヌ「うーん…。採集は問題無さそう。狩猟に関してはまだ何とも…かな?」


村長「フッ…まぁ…そうだろうな」


…国を相手に戦争を仕掛ける。

いや、狩猟さえも出来ないど素人が増えただけで戦力は変わらない。


村長「(儂とした事が…気に当てられたか。あいつが余程何か抜きん出た能力が無い限りは…)」


キヌ「でもね!あいつ…多分だけど、筋は良いと思う。まだ体の動かし方がなってないだけで、コツさえ掴めばアタシにも匹敵するかも」


村長「ほう…?」


鬼の一族は実力主義。


力や能力が高い者が群れをまとめる幹部クラスへと昇格する。


その中でキヌは上から5番目の階級。


その戦力に匹敵するならあるいは…―


村長「…聞くだけではわからんな。明日の朝、お手並み拝見としようか」


キヌ「アハハッ!きっとびっくりすると思うよ!」


悪戯っぽく笑うキヌの笑顔につられ、村長もにこやかに微笑むのでした。


村長「(まだ…期待はしてはいけない。だけどこの子がここまで言うのなら何かあるんだろうか…)」

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