第14話 Dead or Love

鬱蒼とした森を抜けると、島の端から見えていた大きな洞窟へと行き着きました。


その周りでは沢山の家屋が寄り集まり、小さな村を形成しています。


キヌ「ほら。ここがアタシらの村だ。ここでお前とアタシの婚姻の儀を執り行う」


キャベツ太郎「うわぁ…凄い…見た事が無いものがいっぱいだ…!あれは何してるんだろ…」


猿「あちこちからいい匂いがする!キャベツ太郎!村の中心にでっかい石像があるよ!何あれ?何あれ?木の人形が沢山ある!」


大はしゃぎするキャベツ太郎と猿を見てキヌは満足気に微笑みました。


そしてキャベツ太郎と猿を少し手で制し、村全体に響き渡るような大きな声で叫びました。


キヌ「皆!アタシの群れに加えたいやつがいる!集まってくれないか!」


村に居る人々がキヌの前に集まりましたが、口々に囁きあいます。


「おい…あれってまさか…」

「今群れに加えるって言った!?嘘…」

「何で人間なんかがこの島に居るんだ…?」


動揺する者、怖がる者、殺気立つ者、面白がる者…鬼達が見慣れぬ人間に驚きを隠せない中、キヌが言い放ちました。


キヌ「アタシはこいつと婚姻の儀を執り行う。準備してくれ!」


「…えっ!?」

「なんだと!!?」

「オイオイ!キヌ!何言ってんだ!」

「正気か!?」


あちこちで一斉に沸き立った混乱と怒声にキャベツ太郎は震えながらも声を上げました。


キャベツ太郎「…皆さん。皆さん聞いてくれないか!オラは…!」


キャベツ太郎は今までの人生やここへやって来るまでの道のり、鬼達と仲良くしたい気持ちや自分が出来る事をしたいという意思。


言葉に詰まりながらも、泣きながらも、時に鬼達と目を合わせながら、真摯(シンシ)に想いを伝えていきます。


キャベツ太郎「これが…オラの気持ちです。もしも…もしも皆さんがどうしても受け入れられない、絶対に無理だというのなら!…オラを殺してくれ!」


キャベツ太郎の想いを聞いて静まり返る鬼達…。


その中の鬼の1人が声を発しました。

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