第12話 キャベツ太郎、泣く

キャベツ太郎「お…おまm…おおぉおっ…!」


猿の放った一言で心に大打撃を受けたキャベツ太郎…。


パニックになりながらも自分の格好を改めて見てみました。


キャベツ太郎の格好は…頭と胸、お腹周りに申し訳程度に残る黒タイツ、褌(フンドシ)が食い込んでお尻が強調された状態でした。


キャベツ太郎「オラ…こんなんじゃ…こんなんじゃ嫁さん…」


女鬼「…確かに。見た事のある人間の中で一番容姿は悪いし、気持ちが悪いし、理解出来ぬ…」


じっと黙って見ていた女鬼は、キャベツ太郎の心を容赦無くえぐり倒します。


キャベツ太郎「オラ…もう…ダメなのか?」


事切れたかの様にガックリと膝を付いたキャベツ太郎は、うっすらと涙を浮かべながら微笑みました。


キャベツ太郎「…町娘達にも、お爺さんやお婆さんにも…鬼や…動物からも…うっ…ひっ…ぅぐっ…オラは…結局…誰からも…うぅっ…ふぅぅっ…」


泣くまいと我慢していましたが、とうとう涙が溢れて止まらなくなってしまいました。


図体はでかいのに小刻みにプルプル震えながら咽(ムセ)び泣くキャベツ太郎…。


その様子をじっと見ていた女鬼は母性が刺激されたのか、キャベツ太郎の頭を優しく撫でてあげます。


キャベツ太郎「…っ!?」


女鬼「お前…めちゃくちゃ泣き顔ブッサイクだけど…何か…可愛いな」


猿「ぇ…ええっ!?いやいやいや…ちょっ…姐さんマジすかっっ!?」


猿は目の前での衝撃な展開に、頭が追いつけずにいました。

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