第11話 猿の裏切り

キャベツ太郎と猿が息を呑んで見守る中、とうとう音の正体が姿を現しました。


女鬼「おいおい!何コソコソ食って…わっ…!?こんな所に何故人間が居るんだ!?この島には入って来れないはず…」


どうやら香ばしい匂いに釣られて女鬼が寄ってきた様です。


猿「(唐突なピンチ…!どうする…!?このまま戦闘になれば怪我をするかもしれない…ハッ!!)」


すぐさま状況を察した猿は、キジの肉を渡して女鬼に取り入りました。


猿「美しい娘さん…良かったらキジの肉をどうぞ。活きがいい状態でシメたので、肉の弾力や肉汁、そして旨み…是非ともお召し上がり下さい」


キャベツ「(さ、猿!ここ、こ、これどうする!?打開策は!?お、おおい!!)」


猿は耳打ちしてくるキャベツ太郎をガン無視しながら、女鬼の同情を誘う様に話します。


猿「実は僕…この島に鬼退治をする為に無理やり連れてこられたんです…!僕は…ただ皆と美味しいものを食べながらのんびり過ごすのが幸せだったのに…しくしく」


キャベツ「ぅおおおいっ!!?違う違う!!ここにはオラの嫁さんを探しに来たんだ!信じてくれ!」


猿「娘さん…騙されてはいけません…」


猿はトドメを刺す様にキャベツ太郎を指差しながら、もっともらしい事を言いました。


猿「嫁探しをする奴がこんな破廉恥な格好をしますか!?」

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