第9話 鬼ヶ島へ…

猿「来てくれるの!?ありがとう!流石!あー…そうだ。…あの、川と海の境い目は凄く流れが入り組んで分かりにくいらしいからさ…ちゃんとキジさんが見える様に足に紐付けてもいいかな…?初めてで凄く不安で…」


物凄く申し訳無さそうな表情を作りながら猿はキジにお願いをしました。


キジ「えぇ、別にいいですよ。私にしか先導は出来ませんからねっ!フフンッ」


猿「頼りになるなぁ!ありがとうキジさん!ブサイクも呼んでくるから待っててね!」


プライドの高いキジをまんまと仲間に引き入れる事に成功し、いざ…キャベツ太郎との対面です。


キャベツ太郎「き、キジさん…ありがとう。一緒に来てくれて…」


キジ「私に任せておけば何も心配なんてありませんよっ!…それにしても何だか凄い格好した方ですね」


キャベツ太郎「これが巷で人気なんだよ」


猿「ブファッ!…えぇ、とても…ワイルドスタイルで…初めよりかっこいいですよ!」


笑いをこらえるのに必死の猿を知ってか知らずか、キャベツ太郎は満面の笑みをこぼしました。


キジの足に引きちぎった黒タイツの袖を結びつけ、いよいよ鬼ヶ島へ出発です。


ふわりと羽ばたき、キジが号令をかけます。


キジ「さぁ!行きましょうか!未知の世界、鬼ヶ島へ!」


キャベツ太郎・猿

「おぉー!」


キャベツ太郎、猿、キジ…それぞれの思いを乗せて、小舟はゆっくりと進み始めました。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る