第6話 犬との出会い

キャベツ太郎「いや普通遠出になるんだったらおむすびとか食べ物くれるんじゃないのか…?え、何でホウ酸ダンゴ?これで鬼退治するって事?オラが食べるのを想定して…いやいやまさか…うーん…」


お婆さんから逃げるかの様に出発したキャベツ太郎は、何故ホウ酸ダンゴを渡してきたのか…釈然としない気持ちで頭がいっぱいになりました。


まぁ…きっと…敵を欺いたりなんやかんやするんだろ…使い道はおいおい考えるか…と無理やり自分を納得させ、深呼吸。


キャベツ太郎「あー…でも…オラひとりで鬼ヶ島に辿り着けるかなぁ…。いや、これも未来の嫁さんの為!頑張る!」


気持ちを切り替えて道を進んで行くと、前方にクゥン…と鳴きながら一匹の犬が寝転がっていました。


キャベツ太郎「…おや?あの犬はどうしたんだろう?お腹が空いているのかな…。でもこれはホウ酸ダンゴだからあげれないよなぁ…」


流石にホウ酸ダンゴを餌には出来ないので、キャベツ太郎は犬を無視して横を通り過ぎました。


その瞬間…――


ガブッ!


キャベツ太郎「いっでぇっっ!!?」


余程飢えていたのでしょう…。

さっきまで力なく寝転がっていた犬は立ち上がり、キャベツ太郎のお尻に噛み付いていました。


全身黒タイツに加え、お尻部分が丸出しになってしまったキャベツ太郎…。


もしもお団子がちゃんとした美味しいお団子であれば犬に与えてお供になっていたかもしれないのに…お尻が強調された服装じゃなかったかもしれないのに…。


頭の中も顔もぐちゃぐちゃの状態で、キャベツ太郎は全力で走って逃げていました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る