第4話 包容力はあっても魅力は0
…キャベツ太郎もいいお年頃。
町の至る所で恋人同士が戯れている場面を見かけては、「あんな風にしてみたい」、「こんな事をしてみたい」と妄想と期待をふくらませていました。
実際に何度か話した事のある女性達にアプローチもしてみました。
いつも元気に声をかけてくれる茶屋の看板娘、いつも薬草を買い取ってくれるお淑やかなお姉さん、いつも値切って野菜を買っていくおばさん、いつもこちらを見かけると脹ら脛(フクラハギ)を叩いてくる女の子…。
どんなに笑顔で話してた女性も、キャベツ太郎が「この後オラとお茶をしませんか?」と言い終えるまでに「あ!あれ忘れてた!大変大変!」…と、足早に帰ってしまいます。
キャベツ太郎「ふぅ…やっぱり…ダメかぁ」
とてつもないおっさん顔&わがままボディなので、キャベツ太郎は壊滅的に女性からモテませんでした。
その為、荒みに荒んだキャベツ太郎は、【鬼退治】という大義名分を掲げつつ、鬼でもいいから嫁を探すという下心丸出しな決意をしたのです。
お婆さん「可哀想に…そんな事があったんだね…」
お爺さん「キャベツ太郎…ほんに…お前は難儀じゃのう…」
お爺さんとお婆さんは少し涙ぐみながらキャベツ太郎を優しく抱擁(ホウヨウ)し、絶対に帰ってくる様にと約束を交わしました。
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