おまけ
第9話 おまけ
―――まだ、学生だったある日の昼下がり。
「レオノール様。」
シイアナが話しかけてきた。
「なんだ? 話しかけてくるなんて珍しいな。」
「そ、それは……実は、アシュラ殿下に麻薬が盛られている可能性が出てきて……それを二人で調査してこい、って言われたのよ。」
気まずそうにそう言う、シイアナ。
二人で、か。
まぁ、特に用事もないしな。
「わかった。」
「ありがとう! …それじゃあ、着替えてくるわ。」
――
―――
「えっと……どうしたんですか? レオノール様。」
「その、格好、は…………」
部屋から変装を終えて出てきたシーナを見て、少し石化状態になってしまった。
それもしょうがない。
なにせ、金色の髪に翡翠色の瞳。それに、うっすらと化粧もしているようだ。
そう、普段の地味な姿ではなく、本当の姿となっていたのだ。
ど、どうして…?
そんなことは考えなくてもわかる。変装だ。
んー、まぁ、変装っちゃあ変装なんだが……
わからなくなるからいいか。
「……じゃあ、行くか。」
「う、うん。」
俺たちは、街へ歩き出した。
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作者から
短くなってしまい、申し訳ございません。
引き続き、楽しんでいただけると幸いです。
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