第5話~予算委員会~

今日は、一番面倒な日である。


内閣官房長官は野党党首から、予算委員会で厳しい追及を受ける日でもあるからだ。


一国の予算を決める大事な会議で、こんな追及されるとは思いもしなかったが、一応出席はしなくてはならないので、委員会室で待機していた。


しばらくして、委員長の掛け声で委員会は幕を開けた。まず党首が席を立ち


党首「えぇ、官房長官にお聞きします。去年、政権が打ち出しました「年金改革法案」について、掲げてから約一年が経過しましたが、進捗状況についてお聞きしたいです。お願いします」


官房長官が手を上げる。


委員長「内閣官房長官」


官房長官「えぇそれにつきましては、厚生労働大臣と審議のうえ、現在改革の法案を作成中でございます」


委員長「日本共和党首」


党首、少しキレ気味に


党首「あのですね。この年金改革を政権が打ち出してから、一年間何の音沙汰もないんですよ。これはですね、信じている国民に対して失礼ではないんでしょうか。お答えください」


官房長官、ゆっくりと手を上げる。


委員長「内閣官房長官」


官房長官「えっとですね。やはり年金をえぇ十%アップするとしても、これまた予算を調整しなくてはならないですし、それに踏まえて国家財政も見直さなければならいんですよ。これは簡単な話じゃないんですよ」


委員長「日本共和党首」


党首「あのですね。これはですね。厚生労働大臣自身がですね。答弁しなくてはならないんですよ・・・なんで官房長官以外誰もいないんですか!!」


官房長官「え?」


党首「え?じゃないですよ。総理も大臣もどこいったんですか!!」


官房長官、ゆっくりと手を上げる。


委員長「内閣官房長官」


官房長官「えぇハワイでバカンス中です」


党首「ふざけるな!!」


一斉にバッシングを浴びて、審議は中止。


内閣は総辞職した・・・・


~終~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る