帰還。
とりあえず、目的は果たしたのでコストロに帰還した俺達。
ゴルドは受け入れられるか心配だったが、杞憂だった。と言うかガチの虎が受け入れられたのに金色の犬っころがダメなんて事は無かったな。
コストロの誰かが殺されてた場合はその限りじゃ無いが、幸いな事にゴルドは進化後は鬱になって引きこもってたので大丈夫。
留守番してたアキナにも紹介しつつ、集まって今後の相談。
「さて、一度帰るか否か」
「お兄ちゃんに任せるよ〜」
「んー、帰った方が良い気がするにゃぁ」
「お、フリルは帰る派なのか。理由は?」
「魔物が進化して、本物の魔物になったにゃ。この先、もっとちゃんとしたバケモノが出て来るかも知れないから、一回帰ってメンツをしっかり考えた方が良いと思うにゃ」
確かに。
ゴルドがマーナガルムと命名されたのは人間の勝手だが、決して名前負けしてる訳じゃない。敵ガルムもゴルドも、まさにモンスターと言って差し支えない力を発揮してた。
今思うと、金色に染まった奴らって進化個体だったんだろうか? それともまた別の法則があるのだろうか。それもこの先分かる時が来るのか。
「今更だけど、生き物が凶暴化して超能力みたいな異能を使ってんのオカシイもんな。普通に異常事態だし、この先もっとヤバい生き物に変わってく可能性は否定出来ないよな」
と言うか、可能性が否定出来ないどころの話じゃない。かなり可能性が高いと言える。
メタモルフォーゼを持ってた
もしかすると、そうやって進化した先にドラゴンなんてバケモノが生まれないとも言いきれない。フリルの言う通り、パーティ選びは慎重にした方が良さそうだ。
「という訳で、フリルは一回帰ってネコを連れて来るに一票入れるにゃ。メタモルフォーゼとシールドなんて実戦向きの異能持ちを遊ばせておく余裕は無いにゃ」
「あ、じゃぁチカはここに残ってお店屋さんするね〜? その方がいいよねぇ〜」
そうして話し合った結果、チカちゃんとゴルドがコストロに残る事になった。
ふむ、ゴルドは来ないのか。メインパークに居るワンちゃんに紹介してやりたかったんだけどな。
あの子はフリルのメタモルフォーゼ施術を受けて一応喋れるようになったけど、犬と猫では体の構造が違いすぎて猫型ロボットを超えるダミ声しか出ない。
向こうの家族はそれでも喋れるようになった愛犬に喜んでたし、本人と言うか本犬も喜んでたんだけど、フリルが納得しなかったから他種族への肉体改造は封印したんだよな。
せめて、もっと上手く出来るようになるまでは絶対封印だと言っててこでも動かない。
だからゴルドを連れ帰ってワンちゃんに合わせて、こんな感じでも良いならって納得を得たらフリルを説得しようかなって思ったんだけど、コストロに残るって言うなら仕方ない。
とは言っても、ゴルドくんはコストロのメンバーになると言うよりは、俺達がメインパークに帰ってる間にチカちゃんの護衛をしてくれるって感じらしい。
チカちゃんはめちゃくちゃ強いけど、だからって無敵な訳じゃ無いからな。
「よし分かった。一回帰ってからまた来よう。それで旅パの再構築をするついでに、コストロにも追加でメンバー連れてきて本格的に交流ルートを作ろうか」
その後に、今度こそサバイバルコインばら撒きの旅に行こう。
◆
という訳でメインパークに帰ってきた。
「ただいまー」
「…………おかえり」
真っ先に出迎えてくれたのはネコだった。やっぱりいつ見てもデカいにゃんこって死ぬほど可愛いんだよなぁ。
久しぶりに会ったネコはメタモルフォーゼを練習してるのか、それとも狙って変身してるのか分からないが、虎柄なのはそのままに毛量が全体的に増えてふわっふわのもふっもふだった。
と言うか、フリルに似せた? 柄以外の体型はまさにフリルって感じなんだけど。
「浮気にゃ?」
「違うよ?」
フリルの浮気判定が段々狭くなってきた。そのうちチカとか見るだけで浮気か聞かれそう。と言うかフリルに寄せて来たのはネコだからオレ悪くないよ。
施設に入って歓迎を受けたあと、色々と報告を受ける俺。そういえば施設のトップだったね俺。
「…………えっ!? イミテーター出たの!?」
「出ました。今日、ついさっき」
そして食堂でプチ会議みたいな物が開かれ、そこでびっくりする報告を聞く。
イミテーター。俺が使ってる複製の異能だ。
めちゃくちゃレアだと思ってたのに、まさかこんなにも早く二つ目が見付かるとは。もしかしてレア魔石の中ではそんなにレアじゃ無いのか?
と、思ったが良く考えると一緒に見付けたらメタモルフォーゼもフリルとネコが持ってるし、二個目が見つかってもおかしくは無いのか。
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