第4話
悲しい気持ちになった。
最も愛されるべき人間が最も愛されない社会。
誰も救済してくれない、自助努力を基本とする社会。
本当に助けてほしいと願う人が助からない社会が現代日本である。
人間、生まれも違えば育ちも違う。
なのに同じ社会の中に放り込まれて競争しあう。
醜い競争、貶しあいの先に何があるんだろうか。
人々は安寧を求める為に人の安寧を奪い続ける。
奪いたくないと強大な理想論を唱える人間は安寧を失って死んでいく
他人から搾取することを選ばなかった善人が、絶望し死んでいく。
多面的な思考に目覚めれば目覚めるほど身動きが取れなくなっていく。
こんな悲しい事があっていいのだろうか。
そんな悲しい気持ちを一媒体に書いたところで誰の目にも届かない。
苦しんでいる人を救済する手立てはこの世界の何処を探しても見つからない
看護師や介護士、自衛隊に消防士、カウンセラーに心理学者
人を助けることが出来る仕事は幾らでもある。
しかし僕が助けたいのは本当に困っている人間なのだ
病気や精神病が困っていないという訳では絶対に無い。
国防や自治体の防災だって無ければ確実に困る。
困っている人を助けている事は絶対に間違いはない。
だが僕の助けたい人種ではない。
僕が助けたいと心から願うのは、どうしようもないほど不器用で悲しい人間だ。
どうしようもないほど社会に適合できなくて、どうしようもないほど困っていて、どうしようもないほどどうしようもない人間を助けたい
そんなどうしようもない人間は本を、活字を読むことすらしないのかもしれない。
ここに書くことは一ミリも意味のない事かもしれない。
それでもどうしようもない誰かが、このページを見て、どうしようもない人間がここで執筆していることを見つけてくれたら幸いだと思って書く。
どうしようもないこの社会をどうしようもない人間が生きるのはとても辛い事だと思う。
どうしようもない思いを抱えてどうしようもない社会に今日も鬱屈とした気分で過ごす。
どうしようもないのにどうしようもない自分を社会は認めてくれない。
どうしようもない感情に理解を求めたい。
どうしようもない僕はそれを形に残したい。
社会へのアンチテーゼとしてこの文学を捧げる
太宰治を愛するどうしようもない一般人より
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