太陽がなくなる日

@tsumugiuchinami

最終話

2500年太陽がなくなります!!!


そう知らされたのはもう5年前になる。。


太陽がなくなると聞き社会は一変した。。


まずインフレーションがとまらなくなった。


その影響もあってか娯楽業は、8割なくなった。


旅行業は一生ものの思い出をという意味が強いのかなんとか存続している。


昔の自給自足に近い生活がこの2500年に舞い戻ったのだ。


治安も悪くなった。


どうせ最後だからと犯罪に手を染めるひとが急激に増えた。


東京や大阪などの大都市から人々は人が少ない地域への移住が増え、文化はどんどん逆戻りしていった。


皆必要以上に働くなくなり、大事な人、家族や友人、恋人といる時間を大切にするようになっていった。


ますます貧富の差が激しくなる中、世界は宇宙開発に勤しんだ。。


太陽がなくなるという最も有力な説の一つが100年前から太陽自身の膨張が進んでおり、超新星爆発が始まっていることである。


やっきになって世界は宇宙に力を注ぐ中まだ、地球に変わり得る惑星は見つけることが出来ていない。


私自身妻と子供がいるのだが、太陽がなくなると初めに聞いたときは信じることが出来ず、変わらず会社に勤めていた。


しかし最近になって実現味が帯びてきてからというもの、働く意味を見失い家族で自分達が生きていける最低限度の米や野菜を育てることで勤労欲は十分に満たされていた。


今までの家族への時間を取り戻すかのように

家族との時間を大事に過ごし、この数年は生きている。


当たり前のように未来が確約されていた時は

毎日を必死に、惜しむ気持ちを持って生きて

いくことはなかった。


愛しいひとたちをこんなに想うこともなかっ

た。


地位やお金というのは当たり前にある未来が確約されて初めて価値があるものだと思った。


だが未来の確約という点においては実際はどの時代においても保証されているものではなかった。


世界のどこかでは、食糧不足や戦争、伝染病などで命を落としている人達が多くいる。


それを世界のどこかの人という他人事としてしか捉えられていなかったのである。


そしてその他人事が初めて自分事となってから毎日を必死に過ごそうとするのである。


むしろいきなり命を落とすケースよりあらかじめ人生の最後を決められている方が幸せだとも言える。


「大切な人と毎日を充実させる。」


この人生の土台をしっかりと作ってから他の幸福度をあげていくべきなのだろう。


そのことを太陽がなくなるとわかるまで気付くこともできなかった。


人は目先のこと、注目されていることに意識がいきがちだが、もっと1番身近な、周りにいる人たちとの思い出だったり関係だったりが人生を終える時に自分自身に1番残るものなのかもしれない。





この太陽がなくなる日という仮の設定を書いてみることにより私自身、妻や子供が自分の人生の終わり方を決める重要なキーなのだと分かることが出来た。

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