第93話 病院と、治らない病気と、冷房アプリ
教会の病院にお邪魔した。
風邪などのウイルス性疾患は、ウイルス除去のアプリで治る。
重症な怪我などは完全回復のアプリだ。
癌の診断は四苦八苦しているようだ。
だが癌切除のアプリに副作用はほとんどない。
疑わしきは使用するという姿勢でやっているらしい。
「どうです。教会の病院は?」
案内役の司祭から尋ねられた。
「かなり良い感じですね。治らない患者とかはいますか?」
「遺伝と思われる病気が治らないですね」
遺伝病か、こういう病気は俺の前世でも原因と治療がないものも存在する。
「難しいな」
「それと口に合わない食べ物を食べて死ぬ者もおります」
食中毒ならウイルス除去で治るはず。
となるとアレルギーか。
アレルギーを緩和するのは出来る。
「アレルギーはショック状態を緩和は出来る。アレルギーの完治は難しいがな」
「アレルギーとは聞いたことのない言葉ですね」
「食品などの物質を異物とか敵対する物質と勘違いして攻撃してしまうんだ。麦とか玉子とかとにかく色々な食品で起こる」
「なるほど。体に合わない食品を食べなければいいのですね」
「そうなんだが、麦とか玉子とかだと色々な料理に隠れている。うっかり口にしてしまうこともあるわけだ」
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>
#include <conio.h>
extern int tax_collection(int money);
extern void mystery_magic_name_get(char *str);
extern void control_allergy_symptoms(char *str);
void main(void)
{
char str[256+5]; /*神秘魔法名の格納場所*/
if(tax_collection(10)==1){ /*税金徴収、銅貨10枚 金が無ければ、何も起こらない*/
mystery_magic_name_get(str); /*神秘魔法名ゲット*/
strcat(str,".body"); /*神秘魔法名に『.body』を連結*/
while(1){
control_allergy_symptoms(str); /*アレルギー抑制*/
if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/
}
}
}
こんなアプリを作ってみた。
「ありがたく使わせてもらいます。口に合わない食品がある信者にはこのアプリを売った方が良いですね」
「まあな。注文はラメル商会にしてくれ」
遺伝子治療は作れないだろうな。
仕組みが分からん。
アレルギーは抗体が作られるから、これを作る量を抑制すれば良い。
遺伝子治療って遺伝子を切り貼りすればいいのか。
全くイメージできない。
だってどの遺伝子が問題なのかは、検査してみないといけないだろう。
遺伝子の検査の知識は持ってない。
前に作りたかった冷房のアプリも作る。
というか魔王の魔法手引書に載ってたからな。
#include <stdio.h>
#include <conio.h>
extern int thermometry(void);
extern MAGIC *suppress_molecular_vibration(float mana);
extern int mclose(MAGIC *mp);
extern int tax_collection(int money);
void main(void)
{
int preset_temperature=24;
MAGIC *mp; /*魔法定義*/
if(tax_collection(100)==1){ /*税金徴収、銀貨1枚 金が無ければ、何も起こらない*/
while(1){
if(thermometry() > preset_temperature){ /*温度計測*/
mp=suppress_molecular_vibration(0.1); /*分子振動を少なくして、冷やす*/
mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
}
if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/
}
}
}
これは流行る予感。
温度調節機能を追加することも考えたが、とりあえずはこれでいい。
一回つかうごとに銀貨1枚はぼったくりだが、暑くったって熱中症にでもならない限り死なない。
富裕層向けの商品と言える。
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