第2章 長老貴族をぶっとばす

第60話 兵糧攻めと、レンガと、重さ軽減

 貴族派の長老の名前はカロン。

 とりあえずターゲットとしてロックオンしたが、俺にはまだ彼を倒す力はない。

 今は内政で力を溜める時期だろう。


「大変です。食料を売って貰えなくなりました」


 領地に戻っていたところ、ラメル商会から出向している文官からそう報告を受けた。

 兵糧攻めか。

 基本だな。

 幸い、海があるからカロリーは足りている。

 だが、麦は欲しい。

 主食がない生活は侘びしい。


 王都へ飛んだ。


「元気にしてたか。我が派閥の貴族共よ」


 俺の派閥の貴族達を集めた。


「元気なものか。この忌々しい魔法をすぐに解け」

「そうだ」

「貴族としての扱いを要求する」

「慰謝料を寄越せ」

「訴えてやる」


「朗報を持ってきたのだがな」

「もったいぶらずに早く言え。俺達は奴隷だ。だが、心まで支配できると思うなよ」


「麦を買ってやる。余剰分で良い。流通価格の2倍だ」

「騙されんぞ」


「疑っているのなら俺に売らなくても良い」

「くそっ、足元を見やがって」

「それは他領から買い入れても、その値段で買ってくれるのか」


「そうだな。お前達はずるく立ち回れ。どこから仕入れたか分からないようにするなど簡単だろ。貴族派に睨まれないように上手くできるはずだ。俺はラメル商会しか人脈はないが、お前達は色々とあるだろ。後ろ暗い奴とか」

「今回は騙されてやる」


 貴族たちは麦を俺に売ってくれるようだ。

 こいつらの人脈が潰れたって痛くない。

 だが、俺の予想では上手くやるだろう。

 貴族派は麦を買い占めて懐に余裕がないはずだ。

 高値をつければほいほい売るだろう。


「励めよ。従っている限りはうまい汁を吸わせてやる」


 ラメルと今後の協議をする。


「俺の派閥の領には魚の干物を売ってやれ」

「はい」


 これで貿易は成り立つはずだ。

 商売が活性化すれば派閥の領も潤うはず。

 もう3つぐらいは特産品が欲しいところだ。


「他の特産品のアイデアはあるか?」

「塩が売れれば良いのですが」

「国に喧嘩を売るにはまだ早い」


「となれば、やはり海ですね。魚から作った肥料を売ってみたらどうです」

「肥料は良いな。毎年使うから、あればあるだけ良い。増産してみるか」


「それと粘土ですね。これの加工品は良いと思います」

「日干しレンガぐらいの簡単な奴なら、魔法で量産できる。ああ、瓦もありか」

「麦を買い入れた帰りの馬車に載せるなら、それも良いかも知れません」


 とりあえずはそんな所で良いな。


extern int tax_collection(int money);

extern MAGIC *solt_make(float mana);

extern void mold_clay(MAGIC *mp);

extern void bake_clay(MAGIC *mp,int temperature);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 if(tax_collection(1)==1){ /*税金徴収、銅貨1枚 金が無ければ、何も起こらない*/

  mp=clay_make(0.00005); /*粘土を作る*/

  mold_clay(mp); /*粘土を型に嵌める*/

  bake_clay(mp,1200); /*粘土を焼く*/

  mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

 }

}


 レンガを焼くアプリを作ってみた。

 消費魔力量が多い。

 焼くのをゆっくりやらないと割れたりするからだ。


 型のイメージを瓦にすれば瓦も焼ける。

 奴隷達の小遣い稼ぎだ。

 銅貨1枚で作って2、3枚でラメルの商会に売れれば良いだろう。


 重い物を馬車に載せると馬車が痛むし馬の消費も激しい。

 それでこのアプリだ。


#include <stdio.h>

#include <conio.h>


extern int tax_collection(int money);

extern MAGIC *gravity generation(float mana);

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 if(tax_collection(100)==1){ /*税金徴収、銀貨1枚 金が無ければ、何も起こらない*/

  while(1){

   mp=gravity generation(0.05); /*重力発生*/

   if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

  }

  mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

 }

}


 2メートル四方の広さに重力を発生させる。

 上向きに発生させれば軽くなるわけだ。

 これで輸送は大丈夫だな。

 重たいレンガと瓦も軽くなれば、輸送コストもだいぶ減るはずだ。

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