第55話 醤油と、鉄生成と、教皇選挙

「あなた、醤油を売って」


 新婚旅行から帰ってきたら、エクレアに詰め寄られた。

 浜で魚を焼いて、醤油を垂らしたのを食わせたからだ。

 売るのは別に良い。

 ギブアンドテイクだからな。

 金のギブの部分があれば、醤油のテイクがある。

 アプリを作ろう。


extern int tax_collection(int money);

extern MAGIC *magic_make(char *obj,int obj_size,int imege);

extern void magic_alchemy(MAGIC *mp,char *process_data);

extern int mclose(MAGIC *mp);


char soy_sauce[100]; /*合成する物質100立方センチ*/

void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 char process[9]; /*工程データ*/


 if(tax_collection(100)==1){ /*税金徴収、銀貨1枚 金が無ければ、何も起こらない*/


  mp=magic_make(soy_sauce,sizeof(soy_sauce),IMAGE_LIQUID); /*醤油を魔法登録*/


  process[0]=WHEAT; /*小麦*/

  process[1]=ROAST; /*炒る*/

  process[2]=CRUSH; /*粉砕*/

  process[3]=KOJI_MIX; /*麹を混ぜる*/

  process[4]='\0'; /*終わり*/


  magic_alchemy(mp,process); /*プロセスに従って錬金*/


  process[0]=SOY; /*大豆*/

  process[1]=WATER_MIX; /*水*/

  process[2]=BOIL; /*茹でる*/

  process[3]=COOL; /*冷ます*/

  process[4]=SEED_KOJI_MIX; /*種麹を入れる*/

  process[5]=SALINE_MIX; /*塩水を入れる*/

  process[6]=AGING; /*熟成*/

  process[7]=SQUEEZE; /*絞る*/

  process[8]='\0'; /*終わり*/


  magic_alchemy(mp,process); /*プロセスに従って錬金*/

  mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

 }

}


 醤油を手にしたエクレアは満足そうだった。


「肉野菜炒めに入れるのも美味しいよ」

「やってみるわ」


 ジュ―ジューという音が聞こえ、厨房から醤油の香ばしい匂いが食堂に漂ってきたので、俺はリビングに避難した。

 考え事するのにあの匂いは気が散るからな。


 鉄を作り出すアプリを開発しよう。


extern int tax_collection(int money);

extern MAGIC *iron_ingot_make(float mana);

extern void smelt_iron(MAGIC *mp);

extern int mclose(MAGIC *mp);

void main(void)

{

 MAGIC *mp;

 if(tax_collection(100)==1){ /*税金徴収、銀貨1枚 金が無ければ、何も起こらない*/

  mp=iron_ingot_make(0.0005); /*50センチの鉄*/

  smelt_iron(mp); /*鉄を精錬*/

  mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

 }

}


 鉄を召喚して、精錬する。

 これで銀貨1枚は安い。

 鉄は地中にありふれている。

 磁石で砂場を引きずれば、砂鉄が沢山付いてくる。

 磁石があれば試してみると良いだろう。


 ただし、砂鉄は純度が低い。

 精錬が必要だ。

 このアプリは魔力を沢山食うだろう。


 エクレアが皿に盛られた肉野菜炒めを持って来た。

 懐かしさがこみ上げる。

 フォークですくって食べた。

 スパイスも程よく利いていて旨い。

 野菜のシャキシャキ感もある。


「美味い。お替わり」

「あなた、大豆を増産して下さい」


「醤油の材料だな。良いだろう。大豆は痩せた土地でも育つ。麹も召喚して保存しておくといいかもな。味噌とかも作れるし、酒も造れる」


 そろそろ、教皇選挙の日だ。

 王都にまた行かないといけないな。


「また行かれるのですね」

「仕事だから、仕方ないさ」


 罪悪感があるがそれを振り払って、エクレアと愛し合った。

 子供がなかなかできないな。

 忙しいからだろうか。

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