第50話 天使降臨と、魔石の情報と、冷気対策

 教会に行くと、ウエハス枢機卿が出迎えてくれた。


「こちらから出向かないといけない立場ですが、教会での私の立場もありますのでご容赦を」

「気にはしてませんよ。色々とやっかみもあるでしょうし」


「ええ、足を引っ張ろうとする輩が多くて。雨を降らせるアプリは誰にも知られてはいけません」

「洩れる危険もあるんじゃないですか」

「ばれたら、このアプリを神聖化して、神から与えられたと言い張るつもりです」


「何か不足している物はありませんか?」

「もう一押し、何か奇跡が必要ですね」


 うーん、死体からの復活はやりたくないし、インパクトだとホログラフィかな。

 神か天使を降臨させる。

 完全にインチキだが、インパクトだけは十分だ。

 人の命も掛かってないし、気は楽だ。


「天使を降臨させましょう」


 ホログラフィの魔法イメージは、空気中に霧を発生させて、それに映像を投影させる。

 魔王タイトはそれでやったようだ。

 厚みがあると助かるんだが。


 3Dにするには知識が足らない。

 色んな角度から、映像を投影させるイメージでいいのかな。

 やってみるか。


#include <stdio.h>

#include <conio.h>


extern MAGIC *three_dimensions_holography(float mana);

extern int mclose(MAGIC *mp);

void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 mp=three_dimensions_holography(1.0); /*3Dホログラフィー*/

 while(1){

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 天使が降りてきて光の輪を授けるイメージを込めた。

 細部に自信がないので、映像の天使は光ってぼやけている。


 その場で作ってウエハス枢機卿に渡した。

 ウエハス枢機卿は魔道具を起動。

 映像を見ておうぎょうに頷いた。


「これは良いですね。日照りの都市で雨を降らせた後にでも行いましょうか」


 さて、ウエハス枢機卿に役に立ってもらおうかな。


「大きい魔石が必要なんですが、そういうモンスターに心当たりはありませんか」

「魔石なら教会の宝物に幾つかありますが」

「いいえ、ウエハス枢機卿の瑕疵になっては困ります。討伐する方向で行きたいですね」

「ふむ、それなら、フェンリルが家畜を襲って困るという地方があります」


「フェンリルなら申し分はないですね」

「ならば、いっその事、フェンリル退治の場で天使降臨をしましょうか」


「分かりました。討伐の場では枢機卿は祈りを奉げて下さい。私の手の者が姿を隠して魔法を放ちます。そして、天使降臨です」

「なるほど、その手筈でやりましょう」


 準備が忙しいな。

 牛30頭を餌として用意した。


 攻撃の準備は姿隠しと電撃だ。

 どっちも前に使ったから問題ない。

 人数が足りないので、呼び寄せる事にした。

 牛の輸送に時間が掛かるから、どこかで合流できるのはず。


 フェンリルの予習をする。

 冷気を吐くモンスターだ。

 冷気対策が必要だな。


 警戒心は薄い傲慢なモンスターだとある。

 夜中に襲ってくるような事はないようだ。

 腹が減ると狂暴になるとある。


 電撃は誘導弾だから、振り切られる事はないだろう。

 もしもの時の為に足止めが必要か。


 拘束の魔法も前に作ったからそれを使おう。

 とりあえず冷気対策だな。


#include <stdio.h>

#include <conio.h>


extern int tax_collection(int money);

extern MAGIC *warmth(float mana);

extern int mclose(MAGIC *mp);

void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 if(tax_collection(5)==1){ /*税金徴収、銅貨5枚 金が無ければ、何も起こらない*/

  while(1){

   mp=warmth(0.0001); /*暖気*/

   mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

   if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

  }

 }

}


 これで暖はとれるはずだ。

 後でアプリにしておいた。


 寒い地方や、寒くなる時期に活躍するだろう。

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