苦情
別段、苦情は来ない。
まあ、属性的におとなしい男子の下駄箱のなかにつっこんでいるわけで。
彼らがまたか…という感じでゴミ箱に捨ててくれているらしかった。
「あのう山吹君。ほんと困るよ。女子からの手紙を、
こうも毎日僕の下駄箱に投げ込まれたらさ」
「ん?」
だがある日。
遂にクレームが来た。
俺の中学時代の陰キャ度を100とするなら
陰キャ度89くらいのポテンシャルを持った男だった。
そいつの名前は山下シンヤ。俺と名前が似てるやつ。
「いや、自分でその、捨てるのはあれだしと思ってさ」
「だからってちゃんと読まないのはどうかと思うよ?読んでないんでしょどうせ」
「まあ、俺宛であるわけがないから」
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