ポーション
「ありがとうございました。
またのご利用をお待ちしています」
受付にきた商人さんとの商談が終わり、決められたセリフを言った。
今日は受付の仕事を任されている。
やることは商会に商品の発注をする人の対応と商品を売りにきた物を受け取り、クルル兄が担当している商品の品質を見てもらい。
マニュアルを見て、値段の交渉をする。
もちろんうまく交渉がいかない場合は、先輩のラーゼルさんに対応してもらう。
「次の方どうぞ」
「ポーションを売りたいのですが、、って冒険者ギルドで合ったトムさんじゃないですか
!ここで何してるんですか?」
「えーと、一応こちらが本業なんです。
それよりお客様ポーション売りたいとのことですが?現物はありますか?」
次のお客さんがフェイスさんだったのは少し驚いたけど、すぐに頭を切り替えて仕事をする。
「ありますよ。とりあえず3本渡しときますね」
フェイスさんは受付の机に青色と赤色と黄色の液体がそれぞれ入っている、綺麗に装飾されたガラスの瓶を置いた。
「これ本当にポ、ポーションですか?
こんなガラスの瓶見たことないですし、
それになんで色付いているんですか?」
「瓶は自作したので見たことないのは当たり前ですよ。
あと3本とも正真正銘のポーションで間違いありません」
確認してみるが、フェイスさんいわく本物らしい。
普段商品として見るポーションの液体は透明で、入れ物もガラス職人が作る安物がよく使われている。
「と、とりあえず商品の確認をしてきますので、少々お待ちください」
「はい、わかりました」
慎重にガラスの瓶をトレーに入れ、受付を離れてクルル兄がいる場所へ向かう。
クルル兄のとこに着いたので話しかけた。
「クルトさん、ポーションの商品鑑定お願いします」
「ポーションですね、わかりました。
トム、本当にこれはポーション何ですか?
「そうらしいです。
俺じゃなくて、私もそう思ったんですが、
本人が言うにはポーションだと」
「わかりました。とりあえず商品の鑑定をしてみましょう。トム机の上に置いてください」
一応仕事場なので、上司であるクルル兄をクルトさんと呼び、指示された通り気をつけて
机に3本置いた。
「では『
は?」
クルル兄は青い瓶に商人のスキルを使い商品の鑑定を始めると、びっくりした顔をしている。
クルル兄が言うにはスキルを使うと商品の
名前と品質が分かるらしい。
何か問題があったのだろうか。
「落ち着つくんだ僕。次はこっちだ『
何っ!?
じっ実在したというのか、、。
ならこっちは『
こっちのポーションは聞いたこともない!!」
次に赤色の瓶その次に黄色の瓶にスキルを使ったクルル兄は、鑑定結果にすごく驚き、最後には叫びながら立ち上がった。
「大丈夫ですか?クルル兄?」
「トム!持ってきた人を応接間にお通ししなさい!
いいですか!決して無礼な真似はしてはいけません!私は支店長を呼んできます!」
様子がおかしいので心配になりいつもの呼び方をしてしまった俺の両肩を掴み、
仕事を頼んだクルル兄は3本のポーションを持って、
2階にある支店長室に向かうため階段を登っていった。
多分重要案件なんだと思う、でも普通見習いの俺に頼む?と心でしゃべりながらフェイスさんがいる受付に向かった。
「お客様お待たせしました。
大変申し訳ないのですが、商談は応接間にて行って頂きます。
ご案内いたしますので私の後に着いてきてください」
「応接間ですか、、わかりました。
トムさん案内よろしくお願いしますね」
「ではお客様こちらです」
受付をしている机についてある入り口から出て、手で応接間の方角を指しフェイスさんを案内する。
「どうぞお入りください」
「わざわざありがとうございます」
応接間に着くとドアを開けてフェイスさんを中に入れ、お礼を言われた後自分も中に入る。
「今、お茶を入れますのでこちらに座って待っていてください」
「わかりました」
フェイスさんをソファーに座らせだ後、おそらく来るであろう支店長とクルル兄の分もついでに準備する。
「こちら領主様御用達のお茶になります」
「ありがとうございます。
うーんいい香りですね、ではいただきます。
おいしい!!トムさんおいしいですよ!」
「喜んでいただき光栄です」
フェイスさんがお茶を飲み喜んでいると応接間のドアが開き支店長とクルル兄が入ってきた。
「お客様お待たせしました。
この商会の支店長をしているオリビアと申します。
お客様がお持ちになられたポーションの商談はわたくしが対応させていただきます」
フェイスさんが座っている反対側のソファーの前に座り、自己紹介した後お辞儀をした。
「トム、ここは僕たちが対応するから受付に戻りなさい」
「わかりました。
ではお客様失礼いたします」
フェイスさんにお辞儀をし、応接間を出て受付の仕事に戻った。
「ありがとうございました。
またのご利用をお待ちしています」
「トムさん」
「あっお客様、商談お疲れ様でした」
商談に結構な時間がかかっていたので、フェイスさんを労った。
「ありがとうございます。
なかなか有意義な時間でしたよ、それにかなり儲けてしまいました」
「それはおめでとうございます」
「あと定期的に卸すことになりました。
商会によく来ると思いますので、
これからよろしくお願いしますね」
「えっとよろしくお願いします」
受付の机を挟んでお互いにお辞儀をした。
「じゃあ、今日は帰りますね。
あと言い忘れてましたがお客様ではなくフェイスでいいですよ」
「呼び捨ては流石に失礼なのでフェイスさんでお願いします。
ではフェイスさんありがとうございました。
またのご利用をお待ちしてます」
「別に呼び捨てで大丈夫なんですが。
まあトムさんの意思を尊重しましょう。
ではまた会いましょう」
またすんなり折れてくれたフェイスさんは商会から出ていった。
後から聞いた話だと、
フェイスさんの担当は我が商会のアイドルであるララさんになったそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます