エピソード1 ライト



「さあかかってこい!」

「『聖剣召喚」』行きます」

剣を召喚し騎士団長に向けて走り出した。


しばらく剣戟をくり返していると。

「はっはっは!剣を交える度に動きが良くなるなライトくん!

さすがと言ったところか!」

騎士団が喋りかけてくるが、こちらには余裕はなく返事が返せない。


「フン!」

騎士団長の一撃をお腹に受けた僕は吹っ飛ばされた。


「今回は気絶しないか。

どうやらまた成長したようだなライトくん!ハッハッハッハ」

笑う騎士団長の言葉を聞きながら、聖女であるナミに傷を癒される


「ライト、大丈夫?」

「うん、大丈夫だよ!それより僕の訓練に付き合ってていいの?」

「司祭様の許可はちゃんととっているの。

だから大丈夫よ」

「それならいいけど、無理しないでね」

「ライトが言うセリフじゃないわ」

王都に向かってる途中に、大変な職業になってしまった僕達は前より仲良くなり、お互いを呼び捨てで呼ぶようになった。

そのかわり少しナミの態度が、変わった気がするけどまあそれはいいか。


僕の名前はライト。

グラムお父さんとサリナお母さんの息子だ。


でも本当の親子じゃない。

領主様が来た時、さすがお父さんたちも話さない訳にはいかないので、全部話してくれた。


お父さん達は冒険者のパートナーで。

オーク討伐をする依頼を受け森に入ったらそのオークに女の人が襲われていたそうだ。

オークを討伐し女の人を助けようとするが、出血がひどく無理だと悟った。

彼女は死ぬ間際指を刺し、僕がいる方向をお父さん達に示した。

そこで僕は発見され今に至る。


僕には秘密がある

これはトムにも内緒だし、両親しか知らない。


新月の夜、それも真夜中。

僕は少しの間だけ髪の色が金に変わり目が青くなる、そして右の肩に太陽のような紋様が現れる。

お父さんとお母さんは、特に体調に影響はないので気にしなかったらしい。


でも今すごい気になるんだよね。




この国の王族だけ、金髪に青目なんだ。




「どうした?もう訓練はやめるのかライトくん?」

騎士団長に聞かれたので。


「やるに決まってますよ!」

僕は守りたい物を守るためまず力をつける!


僕は勇者だ、絶対にできる!!


それにお兄ちゃんになるしね!!

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