プロローグ2


「ありがっしたー」

後ろからやる気のない店員の声を聞き、

自動ドアから店を出る。


店の前から10歩ほど歩き、足を止めた。




「しゃあ!!」

俺は目的の乙女ゲームを手に入れたあまりの嬉しさに叫んだ!


何故ならこの『瞳の中は煌めくは』ジャンル上乙女ゲームとしているが、

バトル、商売、経営、スポーツなどなどの要素を詰め込んだ傑作だとクチコミがあり。


有名なテストプレイヤーも久しぶりにやり込んでしまったとネットに書いてあったのだ。


俺は早くプレイがしたいため、

いつもより早く歩いているとしてると、

ボールが飛んできて道路に止まったのが見えた。

そのボールを追ってきた女の子がボールを取ろうとしゃがんでる姿と、その女の子に向かって減速もしない車が俺の目に映った。


俺は無意識にゲームが入った袋を投げ出し、その女の子の元に走った。






「あれ、ここどこだ?つかあの女の子どうなった?」

俺は知らぬ間に白い空間にいた。


「その女の子ならちゃんと助かったぞ。

おぬしが突き飛ばしたせいで怪我はしたがな」

目の前に教皇みたいな服を着た髭を生やしたお爺さんが現れ、

女の子の無事を伝えてくれた。


「そっかーよかった間に合ったんだ。



ところでお爺さん誰ですか?

そしてここはどこですか?

何故俺はここにいるんですか?」


「そうじゃな、

まず説明といこうかの。

儂はおぬしのいる世界でいう神という存在にちかい。

そのままお爺さんとでも呼んでくれ。

そしてここは儂の空間、

神界とでも名付けよう。


後何故おぬしがここにおるかというと、

死んだおぬしの魂をここに呼んだからじゃ」

「え?

俺死んだんですか?」

「死んだぞ、

よそ見運転をしてた車にぶつかってな」

神とか神界とかより、

死んでることにびっくりした。


「呼んだ理由なんじゃがな。

おぬしが命を落としてまで助けた女の子がの、

おぬしが何もせんでも奇跡的に無傷で助かる運命にあったのじゃよ。


つまり無駄死だったんじゃ。


それが少し不憫に感じての、

おぬしが望むなら別の世界に転生させてあげようかと思ってな」

「転生、、?」

無駄死にの事実に唖然としてた俺の耳に、

転生という言葉が聞こえた。


「うむ、儂の管理する世界にじゃ」

「どんな世界ですか?」

「簡単にいうとの剣と魔法の世界じゃ」

「転生します!」

俺は即答した!


「そうかそうか、

では特別に今の記憶を残したままで転生してやろう。

あとは無駄死にでも女の子を助けた褒美に何かやろうかの」

そう言ってお爺さんが考え出し始めた。





そこまで思い出し、

今選択を迫られてるいることを思い出した。

うわ時間ないのに無駄なこと考えたよ。

てかケチじゃね?

一つとか、もっとくれても良くね?

「文句言うならやらんぞ?記憶がある、

それ自体でも充分なんだぞ?」

「っはい!すいません!力は欲しいので、もう少し待ってください」


心を読むのかよ。

ビビりながら俺は今まで見た作品、

厨二病だった頃の考えたであろう能力、

その中で最も適してるものを思い出す。


人の力を奪う。

殺した魔物の力を得る。

相手の能力をコピーする。


だめだ却下だこんなの強すぎる。


じゃあテンプレは?

アイテムボックス、鑑定、異世界言語か?

異世界言語は異世界だから多種多様の言語があるだろうし必要か。

アイテムボックスは言うまでもなく必要。

だが鑑定も捨てがたい。


普通に考えれば鑑定が1番無難なんだが、どこまで分かるかわかんないし。

アイテムボックスはおそらく制限をかけられるからアニメや漫画みたいにならない気がする。

異世界言語は、最初と最初から使ってるものとは違う言語に出会わないとないと効果をはっきりしないし。

どれが一番いいんだ。

本音を言うなら全て欲しい。

テンプレの能力が全部欲しい。テン

「まだかの?」

「テンプレが欲しいです!!」

急に話しかけられた俺は焦ってそう叫んだ。


「テンプレが欲しいか、よかろう。



では良き人生を」




そう言われたあと、意識が飛んだ。

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