第9話 『マフィルカの瓶』
【ラウルとグリース】
3時間前のダナン王国の城内
ラウルがグリースが魔女を退治する為のアイテムについて話しをしている。
「このメモにアイテムを完成させる為の必要な素材が書いてある」
「はいな!」
グリースは、渡されたそのメモをみた。
「げぇ〜これエルフ語やないですっか?、オイラ読めないよ」
「そのエルフ語の下に訳が記されている」
「ほんまや、翻訳がちゃんと書いてあるこれなら大丈夫や」
「あとドリーマー様から伝言も君に話しておくよ」
ラウルは、グリースに伝言を伝えた。
【パピコとグリース】
ダナン国とナブル国の国境付近
ダナンとナブルは、隣りあった国で、国境といっても、同じカナンドールなので国間の行き来には特別な事ではなかった。
グランの高原を二人は、歩きながらグリースがパピコにラウルから聞いたアイテムの説明をしている。
「魔女を倒す為のアイテムを完成させるには、5つの素材が必要や、その5つとは”エルフの里の土〟”トロールの尿〟”大賢者の知恵〟”大剣士の勇気〟”オークリンの炎〟だ」
「最初の2つは、なんとなくわかるけどその後が抽象的すぎない?知恵と勇気って何?そんで少女の血って?怖くない?」
パピコがグリースに聞いた。
「大丈夫、説明もちゃんと書いてあるがな!ラウルから預かったメモにな、知恵とは大賢者の呪文の言葉、勇気とは大剣士の汗、そして血とは救世主となる娘、つまりパピコの血や」
「ひぁ〜あたしの、血だったの」
パピコは、身震いしている。
「まぁ、仕方ないだろう?そう書いてあんだから」
パピコは、少し緊張した表情をみせた。
「ねぇ、大賢者って誰の事?」
「ガルダダ様の事だ」
「じぁ大剣士はアスロンの事ね」
「そうや、なぜ知ってんの?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「なんや、?」
「私は、あなたの世界で起きた事が描いてある絵本を読んだ事があるの」
「そーいや、そんな事言っとたな、この世界が終わるとかなんとかが描いてある絵本やろう?」
「そう。でもなぜその絵本が、私の元にあっのかしら」
パピコ、その事にいて考え出した。
うーん、
うーん。
パピコは、頭を捻りだしていた。
”パーン!!!〟
グリースは、自分の頭を叩いた。
「あーっとそうやった!」
「なに?」
「ドリーマー様の伝言を忘れとった!」
「?」
「さっきの続きや」
パピコは、グリースの言葉に耳を傾けた、
「そのパピコが首からぶら下げているマフィルカの瓶にそれぞれの5つの素材を順番にいれてゆくんや!」
パピコは、自分の首からさげている丸い球体した瓶をみた。
「マフィルカの瓶っていうのこれ?」
パピコが自分の首にかかっている首飾りをてに持って言った。
「パピコ、それおしゃれで城の者が首にかけてくれたんとちゃうからな!」
パピコ、ギョッとした。
「今、違うのって顔したか?」
「してないわよ、全然」
しどろどもろになってで答えるパピコ。
「マフィルカの瓶に”正しい素材〟を”正しい順番〟で入れてゆくと、その素材が持っている性質が光となって光出す、そしたら問題なく、アイテムは完成する。魔女を倒すアイテム、”マフィルカ〟がな!」
「アイテムって完成するとそんな名前になるの?」
「いや、オイラが今とっさに考えたんや!」
「いい加減かよ、そしてなにも捻りがない」
『パピコは、口悪いなー』
と思ったが、グリースは心の中だけで呟いた。
「でも、もし正しい素材、正しい順番でマフィルカの瓶に入れなかったらどーなるの?」
「光らないし、マフィルカは完成しないんだろね〜」
「それだけ?」
「それだけって、完成しないと言う事は魔女を倒せなくなる可能性が高くなるんやぞ!」
「そうね、それは困るわよね」
グリースは、そう言うとヘラヘラとした。
この時グリースは、ドリーマーからの伝言をある部分をわすれていた。
パピコ達は、これから1番最初の素材”エルフの土〟を得る為、”エルフの里〟を目指した。
エルフの里は、グランドールの滝の麓にあり、いまパピコ達がいるダナンとナブルの国境からは離れていなかった。
【ラウルとグリース】
3時間前のダナン王国の城内
「グリースいいね、絶対に忘れないでおくれ
よ、正しくない素材や、正しくない順番でマフ
ィルカの瓶にいれてしまうと瓶は割れて壊
れてしまうんだ。
ドリーマー様がこれだけは、気をつけて言われていた。
なんせマフィルカの瓶は、もうこの世にひとつしかない貴重な瓶、壊れたらおしまいだ」
「あい、そんな大事な事、誰が忘れるもんですか!!」
(そんな事を言いつつ、3時間後にこの部分を
完成に忘れてしまっていたグリースであっ
た)
【国王と兵士達】
ダナン城
パピコとグリースの二人が出発した後、国王は、第一部隊の隊長ダンと第三部隊の隊長ラウルに命令をくだしていた。
「ダン、ラウル、あの二人を追ってくれ」
ラウルは、その命令は、あの少女の意図に反していると国王に申し出た。しかし、国王はトロールの危険をやはり無視できないとし、トロールの所に先に行き、何かあれば助けるようにと言った。
ラウルは、納得し自分の部隊から3人を選出した。
ダンは、自分の部隊から5人を選出した。
そして、第9部隊から1人加わり、合計10でサポートチームが結成された。
【パピコとグリース】
グランドールの滝
二人は、エルフの里に着いていた。
パピコは、エルフ達の住む神殿の中を訪ねてた。
「ねえ、?グリース」
「なんや?」
そこには、エルフ達の姿がどこにも見当たらなかった。
「なんで、誰もいないの?」
静まりかえった神殿には、エルフの姿は誰一人いなかった。
「こりゃ、どういう事や?」
グリースは、何か嫌な予感がした。
つづく。
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