第7話 『惑星ソラリスのゆくえ』

『惑星ソラリスについての考察』


 ここで、カナンドール国の事について少しふれておこう。


カナンドールの国土面積は、


我々の知っている日本の国土面積の2倍の広さがあり、


人口は9000人と比較的に少ない。


カナンドールは、首都ダナンに国を統治するダナン王国という城がある。


カナンドールは、8つの王国がひとつの国を作っている特殊な成り立ちをしていた。


国自体のシステムは、中央集権型になっており、ダナンを中心に各国は均等なバランスを保っている。


 隣国には、インドラという小さな国があり、ここはカナンドールの5分の一の広さしかなく、政治体制は世襲、一族の独裁をとってなっていた。


 その政治体制が原因で市民の暮らしは、困窮していた。


インドラは、魔女が消滅させた国でもある。


 そして次は、どのような人種が生息してるのかということもここで述べておこう。


カナンドールで、一番多い人種は人間である。


カナンドールに住む人間は、地球の人間の寿命とは明らかに異なっていた。


平均寿命は、地球に住む人間の3倍あった。


国土に対する人口密度がその要因になっているかは、さだかではないがここに住む人間は地球より長く生きている。


 そして、次にエルフであるが、

人口は。300人弱、ダナン王国の隣りの国、ナブル王国のグランドールの滝のふもとに殆どが暮らしており、人はここを”エルフの里〟とよんでいる。


エルフの寿命は、800歳といわれおり、例外ではあるが、短命の者や、それより長く生きる者もいる。


一説には、寿命はエルフの持っている能力に関係しており、特殊な能力がある者は時に短命になるとされていた。


そして、数は少ないがカミアシという人種の者がいる。


この者達の平均寿命は、20歳くらいだ。


 この者達は、とても奇妙な生き物で、鳥と人間、馬と鳥、魚とライオンが入り混じった容姿をしている。そして、麒麟や大鷲といった幻獣と呼ばれている物もカミアシとして位置付けられていた。


 カミアシの中には、人の言葉を話す者もいるといわれている。人間社会とは、少し違った生き方をしてたり、人間と共に共存してい物いた。


 そしてカミアシとよく似た生物にイタサレと呼ばれる者もいる。


 この者達は、魔女の魔法によって半人間にされた人間の事をさす。(鉱物、植物、動物などと入り混じっている)


 イタサレの寿命は、まだ新しい人種の為、統計はとれていない。


 学者の間では、イタサレはあまり長く生きられないという議論がなされており、イタサレとなったら寿命は10年という者もいた。


 このイタサレの存在によって、カミアシは元々は差別されていなかったが、人々に差別されるようになった。


 人間だった者がイタサレの姿で商売や、働きだすと災いがおこるといわれたのが原因た。


 そして、イタサレとカミアシは普通の者からは、区別をする事ができなかった。



 このほかにもオークや、妖精など、生息している人種達はいるが、主な人種はこのあたりであろう。



【門番のホボとモズ】


ダナン王国 



”ばーぱーぱぱらぁ〜♪♪〟



城内では、ラッパーの音が鳴り響いていた。



 葉日子とグリースは、ダナン城の前に立っていた。


門番ホボは、門の前に立つグリースに声をかけた。

「無事に帰ってこれたようだな、グリース!」


「あったりめ〜よ!おれを誰だと思ってるんだ!


門番ホボは、考えた。


「お前は、掃除夫だ」


「そうよ、この城をピカピカに磨き上げる事に命をかける、


あ、グリースさまよぉ〜!」


 葉日子は、グリースを白けた目でみている。


 門番ホボ、満更でもない顔でグリース返答した。


「なんか、おまえの事、羨ましく思えてきたよ」


もう一人の門番、モスが、横から口を挟んできた。


「ホボもグリースを見習えよ!」


少し馬鹿にした感じでモズは言った。


 ホボは、少し不貞腐れた顔してモスの言葉を無視した。


「さ〜て、通してくれ、この娘さんが救世主だ!」


グリースは、葉日子の召使いであるかのように言った。


「ど〜も、失礼しま〜す」


 葉日子は、何度も門番にお辞儀をしなが門を通った。


モスがグリースの肩を掴み、足を止めた。


「だめだぁ〜!」


「あん?なんだよ!」


グリースは、不服な顔を見せた。


「俺の目は、節穴じゃあないぜ!グリース」


モスは、グリースの後ろポケットから銃を取り上げた。


「これは、なんだ?」


 銃をクルクルと回しながらモズは、グリースに問いた。


「いや、それはなんっうか?貰ったっうか?」


オロオロするグリース。



「これは、こっちで預かっておくからな」


モズは、銃を自分の懐にしまった。


「いや、全然いいよ、逆にな」


とグリースは言って葉日子の顔を見る。



葉日子もグリースの言葉に頷いた。



【国王と側近】


 国王に。グリースと葉日子の到着つたえられると国王は、兵士だけではなく、城の者皆、”国王の間〟に集めらた。



 側近が、幹部の兵や、側近の少人数で出迎える事を提案したのだが、国王は皆、”救世主に会いたがっている〟と言い、側近の意見を退けた。


【グリースと三番隊長ラウル】


 国王の間に行く途中で、二人は三番隊長に出会った。


三番隊長ラウルは、グリースを”勇気ある者〟として褒め称えた。


グリースは、葉日子をラウルに紹介した。


 ラウルは、パピコに幼い娘というイメージをいだいた。


その足で、三人は王の間へと向かった。




【王の間】


 三番隊長が王の間の扉を開けると、救世主


を一目見ようと集まった人の人集ひとだか

りができていた。



 そこには、兵士の他に政治家、コック、研究者、庭師、掃除夫、商人、子供などがいた。


 その間を二人が通ると待っていた人達は、ざわざわと音を立て始めた。



 葉日子は、緊張した面持ちで歩いている。


グリースは、いつものようにヘラヘラして笑っていた。


 葉日子は、小声でグリースに話しかけた。

 

「雑巾男、なんであんたはそうヘラヘラしてんの?この緊張を感じないの?」


「え、だってオイラは、なんも関係ないもの」



葉日子は、前を向きながら小声で話しを続けた。


「私をここまで連れてきて関係ないとか良く言えんね!」



「まぁーおらはオラの仕事をしたまでよ」


「私もあなたがうらやましみえてきたわよ」



国王がふたりを待ち構えていた。


国王の前に立つ二人。


「良くきてくださった、姫君、グリースも良くやってくれたな」


 国王が二人を労った。国王がお役御免のグリースを下がらせると葉日子は、急に不安になった。


「あとは、まかせたぜ」


グリースは、葉日子の肩に手を置き励ましの言葉をかけると、群衆の中へと入っていった。


「名はなんと申す?」


「橘葉日子です」


「そうか、葉日子殿」


「早速であるが、貴方の力をこの国に貸してはくれぬか?」


 そういうと国王は葉日子に深々と頭を下げた。


城内が一瞬、響めいたがしばらくすると落ち着き、


異様な静けさが王の間を包み込んだ。


葉日子は、目を閉じた。


その間は、時間にすると一瞬だったが、その場にいた


誰もがとても長く感じた。


「国王様、分かりました、私にできることでしたらお受けいたします」


国王は、微笑みながら頷いた。


「ありがとう」


城内は静まりかえっていた。


「で、わたしは具体的にはなにを?」


 葉日子は、室内の静けさの間を、無意識で埋めようと質問をした。


 側近のヤーコブは、なにもわかってないのに、よくひきうけたもんだと葉日子に軽蔑な表情をみせた。


 三番隊長ラウルは、ヤーコブとは、逆の事を感じていた。直感的に動くこの娘に好意的な感情をいだいた。


 一番隊長ダンは、また別の事を葉日子に感じた。この娘には助けが必要だ。まだ物事の道理を知らなすぎる。


 相変わらずグリースは何も考えず、ヘラヘラしながら葉日子をみていた。



つづく





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