第11話 固定観念は良くないと思うんだ!
「ってか、漫画とかラノベ置いてるの絶対絶対ぜーっったい田中君でしょ⁉︎」
「うん、私もそう思う…。」
「だよね!桜もそう思うよね…!」
学校の図書室の衝撃的な事実にイケメンな小鳥遊ですら取り乱してしまったようだ。
「もー!これは生徒会長として見過ごせないんだけど。学校の図書室を私物化しないでよー!」
ペシペシと僕の肩を叩く小鳥遊。痛いからやめてほしい。
「まて、小鳥遊。あそこの本のほとんどは僕のリクエストじゃない。
黒幕は、他にいるんだ…!」
決まった…。
「え、いるわけないじゃん。何言ってるの?」
小鳥遊が冷たい。
「ねー。墾田永年私財法もなんか言ってやってよ!」
「あ、図書室に漫画置いたのは私ですよ。」
「ほら、墾田永年私財法もこう言ってるでsy…え?」
「だから、ワタシが置いたんです。」
あまり衝撃に生徒会長は、以下略!
「え、あ、えっと…?」
もはや小鳥遊は理解できていない。
「ってことは、墾田永年私財法さんもアニメとか好きなんですか⁉︎好きなアニメは?え、どんなジャンル見るんですか?あ、今期の一押しはなんですか?私も多分追ってるのもあると思うんですけど…」
「待って、桜。落ち着いて。私も落ち着く…。」
小鳥遊がちょっと復活した。
それにしても桜は本当にアニメの話になると急に生き生きと話すな…。
「え、桜もアニメ好きなの⁉︎ワタシも好きなんだ!えっとね、やっぱりイケメンが出てくるのに限るっていうか…?金髪碧眼の男の子マジ神ってるっていうか!ワタシって金髪じゃん?これ、一推しとお揃いって感じでー?」
「待て、墾田永年私財法。桜が驚いてる。」
僕は、いつも通り墾田永年私財法を止めに入る。
…あれ、なんか今の流れ既視感があるな。
「あ…。そっか…。私あんまり女の子向けのコンテンツには詳しくなくて…。」
桜はなんだか気まずそうに目を逸らす。
「…?桜って、女の子だよね?いつも何みてるの?」
不思議そうに墾田永年私財法は首を傾げる。
「えっと、なんて言えばいいのかな…。視聴層が比較的男の子が多いやつというか…。」
「んー?バトル系とか?」
「それも見ますけどちょっと違くて。恋愛系とかが好きで…」
「あ!逆ハー系だ!」
「うーん…。あ、田中君の女バージョンが私です。」
「あーっ‼︎めっちゃわかりやすい‼︎なるほどね⁉︎」
待て、なぜ僕の名前が出てくるんだ?
そしてなぜわかるんだ、墾田永年私財法。
「…待って、え、墾田永年私財法ってアニメとか好きなの?」
「…あ。」
そういえば小鳥遊がいることを忘れていた。
それは、墾田永年私財法も同じだったようで、思わず固まってしまった。
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