第10話 いや、僕帰宅部エースだし?←
「「サブカルチャー部?」」
桜と小鳥遊は声を揃えて不思議そうに聞き返した。
こいつらよく声揃う気がするのだが、どんだけ仲良しなんだよ。
「ま、一応。(仮)って感じだけど。」
学校の最終下校時刻も過ぎて、僕たち部活メンバー(と、小鳥遊&桜)は学校の近くのファミレスのボックス席で集まっていた。
並び順は墾田永年私財法、僕、瀬川。向かいに小鳥遊、桜といった順番だ。
「サブカルチャーって、漫画とか、アニメのことだよね?」
と、小鳥遊は持ってきたドリンクバーをコトリと机に置きながら言った。
「まあ、大体そうですよー。正確には大衆文化っていうか、メインカルチャーから離れたものって意味ですけど。」
墾田永年私財法がドリンクバーのコーラをストローで吸いながら答える。
「と、言うことは、ここにいる人みんな何かのオタクってことかな!?」
桜はなんだかキラキラした目で僕をみてくる。
「確かに側から見たらオタクの集まりだよな。
僕はまだオタクという領地には達していないからこれからも真のアニオタになれるように精進するが。」
桜はさすが…と呟いてこちらを見ている。多分僕は今一般的に言ってかなりキモいことを言った気がするのだが。
「で?サブカルチャー部は一体何をする部活なの?生徒会で聞いたこともないんだけど。」
と、小鳥遊は不思議そうな顔をする。
「ああ、まあ正式な部活ってわけでも無いからな。」
「ひな…田中が先生にゴリ押して作ったからねー。同好会って感じだよ!」
「なあ、墾田永年私財法。田中って言い直す必要あった?」
僕と墾田永年私財法が言い合っていると、桜はムーっと、頬を膨らましている。
「…で?なんの部活なの?」
と、言っているがなんで桜が怒ってるのか分からん。
「学校オタク化計画を進行する部活?」
「私、田中君が何を言っているのかわからない…。」
桜は、なんかシュンと項垂れた様子だがまあここは小鳥遊に任せておこう。
イケメンだし。(但し女子である)
「えっとー。日向さんって図書室の本とか借りたことあります?」
墾田永年私財法が急に割って入ってくる。
「え、言われてみたら…ない、かも。」
うーんと考え込みながら、小鳥遊も答える。
「みんなあんまり本借りないから気づいてないみたいなんですけど…。
図書室の本の6割はラノベとか漫画とかですよ、実は。」
「…え?」
流石の生徒会長も驚きを隠せないようだ。
「なんか、私たち図書室で司書さんのお手伝いしてるからさ。
司書さんがお礼にって好きな本置いてくれるんだよね〜。」
「この学校、テキトー過ぎない…?」
生徒会長が、副生徒会長から衝撃のカミングアウトを告げられショックを受けた瞬間だった…。
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