底辺王女の逃避行〜南海の孤島の秘密
天川一三
二人の王女への遺言
親愛なる我が二人の娘へ
先の大戦では、多くの民の命と財産が奪われた。
勝利したのは我が王国が属する
我が臣下たちも、戦争による莫大な利益という俗的な誘惑に駆られ、王族への忠誠心を急速に失いつつある。
我が王国も遠くはない将来、
その時、無慈悲な
先の大戦にそなたたちは、なにを感じただろうか?
いや、王宮の中で外界のことを、なにも見ていないそなたたちに届いたのは、終戦パレードの
舞い散る紙吹雪の中、うれしそうに王宮のテラスから群衆を見下ろすそなたたちの姿を見て、我は一抹の不安を感じずにはいられなかった。
我々が生きるこの世界は遥か昔、
我が王族も、その
二人の愛しき娘よ。
この小国を出よ。
世界の広大さを知り、人々と共に生きよ。
現代の
そして、その中で、そなたたちが本当の幸せを見出すことを願ってやまない。
──西の小国 トライ・ラテラル国王 リト
◇◆◇
殺せ! 殺せ!
この世界のどこに逃げようとも、必ず見つけ出せ!
この世界の
地の果てまで追いつめ、肉の一片、血の一滴も残さぬよう、焼き払え!
──新生マキナリア共和国軍需大臣 グレゴリー・ギルモア
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます