第43話

 その言葉に同意を示すかのように璃兵衛のそばにいたバーはレンのそばに行き、羽根を揺らすと、再び璃兵衛の元に戻ってきた。


「そもそも、お前は墓を掘り返すことも日常茶飯事のようなところが……っ」

「何をのうのうと話しているのです?」


 安楽の逆の手にはいつの間にか別の短刀が握られており、その先はレンの左胸に深々と突き立てられていた。


 安楽が柄から手を離すと、レンは背中から倒れていく。

 璃兵衛は何も言わず、ただじっとレンが倒れるのを見ているだけだった。


「おやおや、悲しみで声も出ませんか。ですが、私を差し置いて話をしていたのが悪いのですよ」

「そうだな、お前の言うとおりだ」

「寺のやつらもそうだった。私の考えを理想だ考えなしだと見下して馬鹿にして。けれど、私はもう違う……菩薩と呼ばれ、崇められる存在となった……はははは、ざまぁみろ! 私を馬鹿にしてきたやつらなど足元にも及ばない!」

「ありがたいご高説をどうも。これであいつの目も覚めるだろう」


 璃兵衛は倒れているレンに向かって告げた。


「起きろ、レン」


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