第9話
曲面ホールの剣戟はつづく。
魔法少女のふりふりパニエは、魔法少女衣装制作科の卒業生によって
だのに、これを
いっそ魔法少女ヒビキは、今、夜空の星と戦っている心地にある。
「シューティングスター! 敵ながらにキレイで、目を奪われちゃう……けど、この
「ちいさな輝きなことね。揉み消してあげるわ。百点満点黄金比の、満点星空で‼︎」
切り結ぶこと十数度、いよいよ地に足をつけた地上戦は
そこをめがけ、
さて、ヒビキはその星間にふらり身を躍らせ……
「可愛さに
ここで、投票フェイズ。
ラストスパートよろしく魔法のステッキを振り上げながら、魔力の噴出点を靴底につくりだす魔法少女。
固定砲台をささえるアンカーさながら太ももに力を
ハッキリとしているのは、魔法少女の敗北。今や地面から剣が飛んできているようなもので、そこへ急降下を果たすなど
なにより、そんな泥臭い試合運び・考え方は、魔法少女に
「(残念ね新人さん……あなたの晴れ舞台、負け役として
勝ちを確信した。
可愛さレスの行動をとる魔法少女、それを焦らず
——そこを、揺るぎなく信じていたばかりに。
入場チケットでの投票が終了。クレーンカメラによる迫力映像は、最後列にまでばっちり事のあらましを伝えていただろう。
「な……ッ……⁉︎」
ドールの
相食んで、魔法少女ヒビキ。
トップスピードは亜音速にまで
「ありがとうみんな! 私の可愛さがクライマックスッッッ‼︎」
感謝、笑顔、喜悦、ハッピー。
幸福きわまれりの表情が、そこで視界の天地をいれかえる。——
……その意味するところは、暴力的。
遠心力をかけたオーバーヘッドキックが、ドールの
待ち受けるは、八◯センチ台のバランスボールめいた魔弾。
「ヒビケヒビカセロッ、骨の
「づっゥアアアァアア骨格と骨子ィ、揺れるゥゥグゥツッィゥウ⁉︎」
派手なエフェクトが七色ライトによって演出。
決定打により歌唱隊の美声がホールを揺るがす。
されどオーディエンスは静まり返って、厳かなラストを待つ。
——強化ワイヤーに吊られた台がゆらり、ヒビキの
「可愛さの勝利——ってね♡」
かんたんなライフルポーズで観客席に狙いをさだめ、オンマイク、最高に可愛さあふれるボイスを場内に伝わせる。
ひとたびシン、と静まり。
たちまち、魔法少女への熱い
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