第2話
月曜日
[おい!松田君。]
部長に呼ばれる夢。
[今日は、この5社を廻って貰うが
最低でも1件は契約を取る様に!]
[はい!]
(はい!と言ったものの…取れる
かなぁ?)
肩を落とし歩く夢。
[おい!チビ!そんなんじゃ相手に
対して印象が悪いぞ!胸を張って
小さくても自信を持って行け!]
(小さくてもが余計なんだよ!)
[はい。]
社を出る夢。
行く所、行く所、惨敗だった。
帰って部長に報告。
[申し訳ありません!取れません
でした。]
[松田が1週間、長瀬の何を見てた?
ちゃんと思い出せ。]
[はい。]
(長瀬さんで思い出すのは、チビ!
ボケ!モタ子!だけだ、あっ!でも
他の人への気配りは凄かったな?
そうか、営業も自分の言いたい事
だけを言うんじゃ無くて、相手の
気持ちを聞き出さないと!)
それからの夢は相手と向き合い
地道に営業をしていた。
ある日やっと1件、契約が取れた。
[部長、今日やっと1件、契約
取れました。]
[やったな、松田!そのコツを
忘れるなよ!教えて貰った長瀬に
お礼を言っとけよ。]
[はい。]
[長瀬さん、今日やっと1件、契約
取れました!]
[チビ!本当にモタ子だな?ボケ!]
(え~っ!一気に3連チャン!長瀬さん、
あなたは私を何だと思ってるんですか?)
夢はフラフラしながらデスクを着いた。
同期の大山公太が
[松田、お前長瀬さんに、やられてるな?]
同じく同期の横田涼一が
[本当に!松田ボロクソ言われてるな?]
[そうなんだよ!チビ、ボケ、モタ子
だよ?どう思う?]
[何?それ、逆にうける~!]
と笑う2人。
(笑ってる場合かよ!人の事だと思って)
ある日、営業先から社に戻る途中
長瀬さんの同期の森友雄大さんと
板東大賀さんに会った。
[ゆ~めちゃん。]
[えっ?]
[社に戻るの?]
[はい。]
[じゃあ一緒に帰ろう!]
(優しい~長瀬さんと大違いだ!)
[なぁ、光輝との営業巡りはどう
だった?]
[光輝?]
[あ~長瀬だよ!]
[あ~もうボロボロです。チビ、ボケ、
モタ子です。]
[何それ?]
[長瀬さんが私に言う3大用語です。]
[厳しいね~光輝!]
[でも、あいつ何時も、そんな事を
言うか?]
[私が、よっぽど出来ないからです。
いいんです。]
[夢ちゃん元気出して!]
[ありがとうございます。]
(2人が天使に見える!長瀬さんは
…デビルだ!)
社に戻ると
[あっ、光輝居たの?]
[おう!契約取れたし、資料を整理
してた。お前達は?]
[契約、取れたよ~!]
[やる~おっ、チビ!お前何してんだ?]
[途中で夢ちゃんに会ったから一緒に
帰って来たんだ!]
[チビ!取れたか?]
首を横に振る夢。
[モタ子!]
[これか~!]
と森友さんと板東さん。
[何が?]
と聞く長瀬さん。
[いや、お前が夢ちゃんに言うチビ、
ボケ、モタ子だよ!]
[どうして知ってんの?]
[夢ちゃんに聞いたよ!]
[チビ~!]
[すみません。]
[なぁ、光輝、海人と竜一も誘って
夢ちゃんの歓迎会しようぜ!]
[どうして?]
[いいじゃん!可愛いい後輩が
出来たんだから!]
その夜、居酒屋で夢の歓迎会。
[夢ちゃん、ようこそ営業課へ
カンパ~イ。]
[カンパ~イ。]
[さぁ、しっかり飲んで、しっかり
食べて!]
夢は飲めない、お酒を飲んだ。
すると気持ち良くなって来た。
長瀬さんが2重、3重に見えて来た。
酔っぱらってる夢。
[おい、チビ!飲み過ぎだぞ!]
[うるさい、長瀬!誰がチビだよ!]
[やばっ!夢ちゃん出来上がってるね?]
[光輝、酔っぱらってるから大目に
見てやれよ!]
[ったく!毎日、毎日チビ、ボケ、
モタ子?私は、あんたのペットかよ!]
[ヒョー来てるね、これは!]
[そう思うんなら、ペットに、なれよ!
飼ってやるよ、チビ!]
[上等だよ!」
「夢ちゃん!」
[光輝!何言ってんだよ!]
[犬は居るけど、こいつの方が
面白いぞ!]
こうして夢は酔っぱらってるいる間に
長瀬のペットに、なっていた。
翌朝
昨日の記憶が無い夢。
[おい、チビ!ご主人様に、ご挨拶は?]
[ご主人様?何ですか?それ?]
[お前、昨日、私はペットですかって
言うから俺が飼う事に、したんだよ!]
[そんなの言ってません!]
[無理だね~みんなが聞いてるから!]
(うそだ~)
[チビ!荷物まとめて引っ越して
来いよ!はい、住所!]
と言って紙を渡された。
(え~っ!私、本当に飼われるの?
そうだ!歩美達に相談しよう!)
仕事が終わって
[歩美、ちょっと相談が、みんなも
いけるかな?]
[清香、友美、京香、今日、時間
いける?]
[いけるよ~]
[じゃあ、そこのカフェでも行く?]
[うん。]
そして夢は4人に事の経緯を話した。
[でも、いいじゃん!あんな、イケメン
に飼われるなんて!]
[でも、ご飯が、ドックフードだったら
どうしよう?ゲージ、入れられるかも?]
[さすがに、そこまでは、しない
でしょう?]
[いや、長瀬さんは分からない!
私だけに、キツイから!]
[で、どうするの?]
[行かないと毎日、言われそうだし...
だから、みんなに相談してるんだよ!]
[夢、それは、もう諦めて行きなさい!]
[毎日、言われるのも、しんどい
でしょう?]
[うん、覚悟を決めて行きなさい!]
[あっ!ついでに長瀬さんの写メ
撮って送ってね!]
[何、呑気な事言ってんのよ~!]
夢は諦めて引っ越しを、する事にした。
夢のペット生活が始まるのだった。
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