クリスマスの悲劇

@aki0623

プロローグ

何・・・・・?この雪・・・?


雪が人間を・・・殺していく・・。

雪の中から、突如、現れた・・・・・・。


私は、不安で仕方がない・・・・・・。


彼に、頼るしか方法は、ない・・・。


1 幼なじみとの外食


今日は12月25日、クリスマスである。予定はないとはいえ、テンションが上がる。現在、15時。お客様は朝からなし。私は横目で、ソファで横たわっている人物を見た。

そう、自己紹介をします。

私は、貴品里、23歳。Y大学文学部を卒業。小説家を目指しながら、この事務所を手伝っている。165㎝、細身、大きな目のくっきり二重、筋の通った鼻。黒髪のグラデーションボブである。

ソファで横たわっている人物は、私の幼稚園からの幼なじみの、気高呉敏、23歳。T大学法学部卒業。悔しいが、賢い。185㎝、中肉、切れ長の目の奥二重、筋の通った高い鼻。黒髪のセンターパートが、肩まで伸びている。とにかく、身だしなみに問題がある。春夏秋冬、Tシャツ、デニムに白衣を羽織っている。外出時も同じ服装、そして、サンダルで、平気で外出する。折角のイケメンが、台無しである。呉敏は、大学卒業と共に、気高探偵事務所を始めた。事務所は、8畳の部屋にテーブルと、四人掛けのソファが2つと、呉敏用の机と椅子のみである。呉敏用の机と椅子を使用しているのは、見たことがない。私と呉敏の両親は数年前に亡くなった。お互いの両親も仲が良かったため、四人で、温泉に出掛けた帰り、事故で亡くなった。私と呉敏の自宅は隣同士。呉敏の自宅の2階の1部屋を事務所にしている。今年になるが、お客様は10人!少ない‼依頼内容は猫探しが全てである。私の給料も支給されるはずがない‼しかし、幼なじみである呉敏が、心配で毎日、事務所に通っている。

主に掃除位・・・だが・・。

呉敏には、幼い頃より、不思議な力がある。両目が赤くなると、鏡を使用して、超能力を発揮する。大人になってからは、見た事はない。私と呉敏が、幼い頃の事である。私が車に轢かれそうになったのを、阻止した。赤くなった両目で、古い銅製の鏡を見ていた。両目が赤くなる事で、力を発揮する様だ。両親が亡くなった時も、何も情報がない中、予知した。予知時は鏡も両目の色も、関係がないらしい。私は、実際に鏡を見たことがない。突然、呉敏が、

「今日はクリスマスか。」と言ってソファから、起き上がった。両目をこすり欠伸をする。

私は、

「そうです。このまま、事務所を開けてても、お客様は来ないよ‼と言っても、普段も同じだけどね。」と嫌みっぽく言った。

呉敏は、

「飯でも食べ行くか?」と私の様子を伺う。

「いいけど・・。どこも、いっぱいだよ。」

「何、言ってんだ。数十メートル先の、ファミレスだよ。」

呉敏に期待した、私が馬鹿であった。恋人同士でもない、ただの、幼なじみとロマンチックなレストランに行くはずがない・・。嫌、恋人同士でも、呉敏なら、ファミレスに行きそうだ。

私は、

「いいよ。すぐに行く?」と呉敏のボーとした顔を見る。

「当たり前だよ。早く行くぞ。」とサンダルを履いている。

「えっ?まさか、白衣とサンダルで行くの・・・?」

「何か変か?」

「変って・・。寒くないの?それに、恥ずかしくない・・・?外食は久しぶりだし、きちんとした服、持ってないの?」

「白衣なら5着ある。違う白衣にするか?サンダルも色違いで5種類ある。」

「もういい。そのままで!」私は、呆れ顔で言った。呉敏は、私が呆れている意味が、解らないらしい。私は、ベージュ色のワイドパンツに緑色のVネックのニット、黒色とグレー色のチェック柄のコート、黒色のパンプス、白色のショルダーバックである。呉敏は既に、外に出ていた。

「遅いぞ。服なんて、何でもいいんだよ。」

「そうは、いかないよ。女性だし・・。せっかく、呉敏と久しぶりの外食なんだし。」

呉敏は、歩き出していた。

「待ってよ‼」私は、呉敏の袖を引っ張る。

「里は、歩くのが遅い‼幼い頃からそうだ。ああ・・。走るのも遅いか。」

「どうせ、呉敏とは違って運動音痴ですよー。」私は、膨れっ面をした。呉敏は、気にもしない。あっという間にファミレスに着いた。中に入ると、家族連れで8割程、席が埋まっていた。窓際の二人席に案内された。客や、店員が、呉敏を見ている。変わった服装だから見ているのか、イケメンだから見ているのか、見当がつかない。

呉敏は、

「俺は、サーロインステーキセットだな。仕方がないから、奢ってやる。好きな物、頼めよ。

「珍しい‼雪でも降るかもね!じゃあ、私はサーロインステーキセットと、カルボナーラ。あと、フライドポテトとフリードリンクね。」

「相変わらず、良く食うな。」

「いいじゃん。太らないし。それに、呉敏の奢りだしね。もう当分、こんな奇跡は起きないかもしれない‼」

「嫌みったらしいな!」呉敏は、ぶつぶつ言いながら、注文した。

「今日は特に寒いね。本当に雪が降るかもね。」

「どっちでもいいよ。」

「呉敏は、ロマンチックさに、欠けるよ!」

「里と一緒で、ロマンチックも何もあるかよ!」

「そんな事言ってると、誰かの者になっちゃうかもね。こう見えて、大学時代、もててたんだよ!」

「なら、何で、誰とも付き合わなかったんだよ。」

「それは・・・。」私は、顔を赤くする。

注文した料理が運ばれて来た。

呉敏は、5分程で、食べ終える。

「早食いは、だめ‼」

急に、呉敏の顔色が、変わった。

「里!早く食べろ‼」と命令口調である。

「どうしたの?」

「いいから‼」私は、呉敏の顔色を見てステーキセットは、食べ終えた。

「だめだ!店を出る‼」呉敏は、私の手を引っ張って、会計を済ませる。私の手を引っ張り、全速力で、事務所に戻った。

「はあはあ・・・はあはあ・・。」私は、息を切らしながら、呉敏を見る?窓から外を見ている。

「な・・・・に・・・?」

「良かった。間に合った。里。よく聞け‼今から、この町は、大変な事になる!」呉敏は、眉間にしわを寄せて、私に言った。私も窓から外を見る。雪が降っている。外から、

「うわー‼溶ける・・・・・。」と、男性の叫び声が聞こえた。男性を見ると、雪が当たった部分の皮膚が、どろっと溶けて、原型を無くしていく。服も溶かしている。男性は、全身に雪を浴び、全ての皮膚、肉、内臓を溶かして、骨のみとなった。3分程の出来事であった。次から、次へと悲鳴が、聞こえて、皆、骨になっていく。

「呉敏・・・。これ・・・何・・?」私はトイレへ走った。全て、吐いてしまう。私は、やっとトイレから、戻る。

「呉敏は、この事態を予知して、私を急がせたのね・・・。」

「ああ・・。嫌な予感がした・・。」

私は外を見る事が出来ず、悲鳴だけを聞いていた。


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