揉まれ巨乳VS天然物巨乳、再び?
「最近はまた美味しそうなお菓子がたくさん出てるねー」
弘香ちゃんから一旦距離を置くためにきたお菓子コーナー。久しぶりに来たということもあり、思いの他、目を惹かれる商品ばかり。
「これ、小さい頃によく食べていたカントリーマーマじゃん。へぇ、これにチョコをたっぷりかけたチョコだらけってのがあるのかぁ」
チョコのマスコット的なキャラが載ってる可愛らしいパッケージである。値段はちょっと高いけど、すごく美味しそう。
「じゃがイッモ! これはお菓子の定番だよねぇ。僕はサラダ味が好きだったけど……。なになに……カマンベール&ペッパー味……。これも美味しそう」
次々と商品に目移りする。
「こっちは駄菓子コーナーで……フライドポテトのチキン味やピーピーラムネ! 懐かしい。遠足行く時とかよく持っていってたなぁ。あっ、トロトロしてるんじゃねーよ、だ。そのカレー味! 美味しそう!」
どれか一つ買っていって、食後のお菓子にでもしようかなぁ。
「ふふっ。旭晴くん。随分と楽しそうにお菓子選びをするんですね」
「久しぶりお菓子コーナーに来たから、懐かしさも相まってね……って」
自然と会話をしたが、違和感を覚えた。
クールな話し方の弘香ちゃんとは違った、ほんわかした話し方に、旭晴くん呼び……。
振り向けば、もしやと思っていた人物が。
「日奈乃ちゃん!」
「久しぶりですね、旭晴くん」
中学の頃のマドンナ、日奈乃ちゃんとはクラス会の時以来だ。
日奈乃ちゃんは相変わらずの可愛らしい笑顔と巨乳が溢れそうなほど出ていた。
「なんで貴方がここに……」
しばらくして、弘香ちゃんもお菓子コーナーにきた。
「久しぶりですね、弘香さん」
「ええ。それで日奈乃。……貴方は何故、旭晴の腕にくっついているのかしら?」
弘香ちゃんが僕の左腕にくっついている日奈乃ちゃんを黒い笑みを浮かべて見る。
あっ、ほんとだ。左腕の居心地がやけにいいと思っていたら……。お菓子選びに夢中になっていて、気づかなかった。
「旭晴くんとお菓子選びをしていたら自然とこうなっちゃったんですよ。うふふ」
「へぇ。自然と。腕に、わざと、胸を押し当てるような、格好に。ふーん……」
弘香ちゃん、笑っているけど後ろからどんどん黒いものが出てる!?
「ふふっ。弘香さんは一見クールですけど、分かりやすいですね。いいじゃないですか。私はたまにしか旭晴くんには会えないのですから」
そう言って、日奈乃ちゃんはさらに僕にくっついてきた。
むにゅぅぅぅ!!
ふぉぉぉぉ! こんなに柔らかくて、温かな触感がする菓子なんて僕は初めてだ。
「それで旭晴くん。どのお菓子にしますか」
「お……」
思わず、おっぱぃ……と呟いてしまいそうだが、我慢我慢。
「………む」
「ふふ。本当に分かりやすい……」
「?」
日奈乃ちゃんが少しだけ笑った。何か面白いものでも見たのだろうか?
「旭晴くん。もっとくっついていいですか?」
「え、あ、うん……」
「ありがとうございます♪」
「………は」
日奈乃ちゃんはくっつくというよりは、僕の耳元へ詰め寄ってきて。
「……ところで旭晴くん。高校ではうまくやっていますか?」
「え? あ、うん。高校は楽しいよ。でも弘香ちゃんは向こうでは、高嶺の花みたいな感じになってるよ」
「でしょうね」
弘香ちゃんは巨乳で完璧美人だしね。学園での弘香ちゃんは時より僕でさえ、遠い存在と思ってしまうよ。
「弘香さんのことはまた聞くとして……旭晴くんは友達は出来ましたか?」
「うん、出来たよ。友達と言えるのは男2人と……女の子なら3人かなっ」
「さすが旭晴くん。人気者ですね」
「いやいや。みんな優しいからね。女の子たちの方は出会いがちょっと独特だったけど……」
日菜子ちゃんや早苗ちゃん、美月ちゃん。今思い出しても……。
『私を中学生……いや、小学生扱いしないでくださいっ。私はちゃんとした高校生です!』
『あ? 何アンタ?』
『うちのヒナに何してるの?』
よく友達になれたよなぁ〜〜。
「……そうですか。なるほど」
「ん? なにか確認したかったの?」
「はい、安心しました」
「あ、安心?」
僕に友達ができて安心してくれているとか? わざわざそれはないか。他に何か——
「ねぇ……私はいつまで2人のイチャイチャを黙って見てればいいのかしら?」
「あっ……」
弘香ちゃんのワントーン低い声が聞こえてきた。
日奈乃ちゃんは僕の耳元で話しかけたいためにくっついているが、弘香ちゃんからみればそう見えているわけで……。
「ふふ……ねぇ旭晴……さぞがしその天然物の巨乳がいいのかしらぁ……」
弘香ちゃんは、にっこり笑った。
こうしてにっこり笑っている時の弘香ちゃんは……せーのっ、とても機嫌が悪い!!
「日奈乃ちゃん、そろそろ……」
「はい、離れますね」
ぱっ、と日奈乃ちゃんは離れてくれた。ああ、ふわふわで良かったなぁ……。
「……旭晴。早く帰るわよ。これからウチで一緒に夕食なのだから」
「あ、うん。それもそうだね」
弘香ちゃんのお母さんも待っているかもしれないし。
「旭晴くんと一緒に夕食……。幼馴染特権は相変わらずですね」
「ええ。なんなら林間学校だって同じ班よ?」
「それはそれは。うふふ……」
バチバチ、と電気のようなものが2人の間で流れている気がするのだけど……。
「じゃあね、日奈乃ちゃん」
「また会いましょうね、旭晴くん。もちろん、弘香さんも。ふふっ」
「貴方、中学の頃から相変わらず変わってないわね……」
先を行く弘香ちゃんについて行こうとした時。
「旭晴くん。あの子のこともよろしくお願いしますね」
「え、うん……」
笑みを浮かべると、日奈乃ちゃんは反対方向へ去っていった。
「あの子って……どこ子だ……?」
僕は首を傾げたのだった。
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