美少女4人と昼ごはんはハーレムなのか?②
「へぇ〜。やっぱり西堂ちゃんはあさっちと組むんだぁ〜」
「幼馴染は林間学校の班決めでも一緒……尊い」
「尊い?」
「「なんでもない。こっちの話」」
早苗ちゃんと美月ちゃんがハモった。仲がいいね。
食事を取りながらの賑やかな会話。話題はやはり林間学校のこと。日菜子ちゃんたちのクラスも、事前に班決めのことは伝えられていたようだ。
「そっちは大体組もうとしている班のメンバー、決まったの?」
「女子はアタシたち3人で組む。ただ、うちの担任、男女混合にするのが条件って言ってさ〜」
「残り2人の男子をどうしようかなって考えてるの。けど……」
「みんな、中々わたしたちの班に入りたくなさそうです……」
日菜子ちゃんがしゅん、と眉を下げる。
話を聞くと、男子の方はチラチラ見るだけで班に入りたいとは言わないそうで……。
多分、早苗ちゃんと美月ちゃんのせいだよね。僕が最初に会った時みたいに、見定めている(怖い目をしている)んだよね。
「少しは男子に優しくしなよ」
「可愛いヒナのためだ」
「私たちは悪くない」
「過保護になる気持ちは分かるけどさ」
「? ああ、そういう事」
「?」
弘香ちゃんも途中で察し、日菜子ちゃんだけが分からなそうに首を傾げている。うん、日菜子ちゃんは純粋のままの方がいいよ。
「それにしても、旭晴にこんな可愛いお友達が増えたなんてね」
「え?」
弘香ちゃんが何故が僕の太もも部分を軽く摘みながら言う。
日菜子ちゃんのことは知ってるし……早苗ちゃんと美月ちゃんのことかな?
「僕もこんな可愛いギャルさんたちと友達になれるなんてびっくりだよ」
「え、あさっち。アタシらのこと可愛いと思ってくれていたんだ」
「あさっちからまさか可愛いという言葉が出てくるなんて……」
早苗ちゃんと美月ちゃんが僕のことを驚いた瞳で見ている。
「えっ、誰がどう見ても可愛いでしょ」
2人は派手目なギャルという見た目ながらも、元が美少女だからそれらが似合っているのだ。しかも、話せばわかってくれるオタクに優しい系ギャルと見た。
可愛い超えて、最高のギャルじゃない? ラノベだったらめっちゃ強いヒロイン属性だよ。
「でもアタシらのことを可愛いって思ってくれる割には……なんか落ち着いているじゃん」
「普通可愛いと思っているならほら、君のお友達みたいに固まったり、挙動不審になったりするのもじゃないの?」
「そんな毎回恥ずかしかったり、挙動不審になってもしょうがないでしょ」
そんなことしていたら、会話ができないし。
というか、僕は一見落ち着いて見えるようなだけで、内心はいつも叫びまくりである。特に胸関連になると。
「旭朝は平然としていても、貴方は今、可愛い子たちに囲まれている。まるでハーレム状態……少なくとも周りはそう思ってるんじゃない?」
「うん? あっ……」
弘香ちゃんを見て、ふとその奥を見ると……学食にいる生徒たちの視線の多くが僕たちに向いていることに気づく。見渡すと、視線が合う人がさらに多い。
弘香ちゃんも日菜子ちゃんも。早苗ちゃんと美月ちゃんも確かにみんな美少女である。そんな4人と平凡な容姿な僕がご飯を食べれば目立つかもだけど。
「でも友達とご飯食べてるだけだし、ハーレムではないでしょ」
そう、僕らは友達なのだ。
ハーレムとは好意がある女子が周りに集まることを言うとラノベで学んでいる。
そう言って、頼んだカツカレーを食べていると弘香ちゃんのみならず、何故か早苗ちゃんと美月ちゃんもため息をついていた。
「……幼馴染も大変だなぁ」
「鈍感幼馴染は厄介……」
早苗ちゃんと美月ちゃんがまた幼馴染について呟いてる。幼馴染ものにでも目覚めたのかな?
「皆さん、早く食べないと料理が冷めちゃいますよっ。ん、美味しい♪」
そんな3人を他所に、僕は美味しそうにちくわうどんを啜る日菜子ちゃんを眺めた。
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