美少女4人と昼ごはんはハーレムなのか?①
「おい、マジかよ! あの西堂さんと班を組めちゃったよっっっ!!」
「神は俺たちを見捨てていなかった……ああ神よ……ありがたき幸せ……」
斗樹と純矢がそう言ってきたのは、昼休みのことである。ようやく、弘香ちゃんが班に入ってくれるという現実に気づいたみたい。
「あと1人もなんとかなりそうで良かった〜」
「ワシらはもう、勝ち組みたいなものだな。ハッハッハッ」
「男の娘の件はもういいの?」
「男の娘?」
「はて、なんのことだ?」
「はぁ………」
この2人……血迷ったように男の娘を探そうとしていたけど、ただの衝動的行動だったらしい。
「それにしても、旭晴に来たってことはやっぱり幼馴染パワーじゃないの?」
「幼馴染パワーねぇ……」
対応がめんどくさくなって、仲の良い僕の班に入ったって感じに見えるけど。でもそれも、幼馴染パワーのうちに入るのか。
「幼馴染パワーでも筋肉パワーでも神様パワーでもなんでもいい。俺たちは勝ったのだ!」
「誰と勝負してるのさ。あと、残りの2つはもうちょっと大事な時に取っといた方がいいよ」
というか、筋肉パワーって今のところあまり役に立ちそうな気がしないのだけれども。
まあ林間学校の班が無事決まりそうなのは嬉しいんだけどね。
「班のことは一旦置いといて、昼ごはん食べようよ」
「そうだな」
今は昼休み時間なのだ。班の話題で時間を潰しては勿体無い。
3人で机を合わせようとしている時だった。
「旭晴。私も一緒に食べていいかしら」
いつもならクラスの女子にお昼ご飯を誘われる弘香ちゃんが言ってきた。
「うん、いいよ」
「ありがとう。そちらの2人も失礼するわね」
「………」
「………」
「? 旭晴。何故この2人は固まっているのかしら」
「女の子慣れしてないだけだよ」
この展開、前に日菜子ちゃんたちと廊下で出会った時にもあったような……。
「2人とも生きてる?」
肩をポンポンと叩いてみる。
「え、あ……やっぱり俺たち今日は2人で食べるよ」
「そ、そうだな。今日はワシら2人で食べたい気分なんだっ」
2人はそう言い残し、教室からいなくなった。
斗樹と純矢、逃げたな。全く……。
「悪いことをしちゃったわね」
「あはは……まあ大丈夫だよ」
でも相手が弘香ちゃんで良かった。
捉え方によっては、今の会話、斗樹と純矢がデキているかも、と勘違いされかねない。僕の深読みしすぎか?
「ところで弘香ちゃん。なんで林間学校の班、僕たちの班に入ろうと思ったの?」
「………なんだが、断るのもめんどくさくなってきたから」
「ああ、やっぱり。でも僕たちの班に入るって言ってからも、めんどくさいのは変わらなかったでしょ」
「そうね。何故、旭晴たちの班に入るのかと、質問攻めにされたわ」
「そりゃそうだよ。クラスの人気者。高嶺の花様が僕らのようなクラスで目立たない組と班を組もうとするんだもん」
「……その、高嶺の花って呼び方嫌なの。やめてくれる?」
弘香ちゃんの眉間にシワが寄る。
「高嶺の花ってなんか良さげだと思うけどな」
綺麗とか完璧とか……弘香ちゃんに揃っているものが多いし。おっぱいも大きいしね。文句ないよね。
「良さげな意味だけど……高嶺の花って近づきにくい……普通の人と比べて距離が遠い感じするじゃない。貴方にまで高嶺の花と呼ばれて距離が遠くなるのは嫌なの」
そうなのか。まあ僕は幼馴染だからだよね。
「弘香ちゃんが嫌ならもう呼ばないよ」
「ありがとう」
でも弘香ちゃんには、高嶺の花って言葉はやはり似合っていると思うな。
「さて、昼ごはんにしよう。僕、今日はお弁当持ってきてないんだけど、弘香ちゃんは?」
「あら偶然ね。私も今日はお弁当は持ってきてないの」
「そうなんだ。弘香ちゃんのお母さん、珍しく寝坊?」
「ええ、そうみたい。でも、作れたことには作れたんだけど、たまには売店や学食に行ってみるのも青春よ、と言われて昼代を貰ったわ」
「相変わらず素敵なお母さんじゃないか。学食……僕も行ってみたいなっ。あっ、そうだ! せっかくだし……」
◆
「お昼のお誘い、ありがとうございます。旭晴さん。弘香さん」
「こちらこそありがとう、日菜子ちゃん」
場所は学食。注文した品を受け取り、僕らは対面に座っていた。
「旭晴さんと弘香さんのお2人と一緒の食事。嬉しいです♪」
日菜子ちゃんは今日もヒナ〜ン♪と効果音がつきそうなくらいの純粋な笑顔を見せる。
おかげで最近は、僕のおっぱいを考える日が少なくなっている気がする。
「はいはい。ヒナは可愛いがあたしらもいるからな〜」
「分かっているよ」
日菜子ちゃんの両脇には当然、友達ギャルの早苗ちゃんと美月ちゃんがいる。
「私はこのお2人とは初対面ね」
「アタシは一方的に知ってるよ。なんたって可愛いって有名だからね〜」
「私、一度、西堂ちゃんと話してみたかったの」
「あら、光栄ね。私も日菜子の仲の良いお友達と話してみたかったわ」
うんうん。弘香ちゃん、初対面ギャル2人にも動じず、接している。さすが。
昼ごはんは僕合わせた5人で楽しくできそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます